新型コロナウィルス陽性者確認について(第六十四報)
昨年、第63報で報告しました、当院における新型コロナウイルス院内集団感染の収束宣言については、行政における収束の告知がなされた後、関連患者様の治療の終了、十分な期間と感染対策の確認および、臨床医学的に感染の再燃が認められないこと、かつ、患者様、職員に取って精神的にも十分な安心が確保されたと判断された時としていました。
しかし現在、当院内だけの問題ではなく、県内はもちろん、全国的に市中感染が爆発的に増加しており、また熊本県を含めて、多くの地域で緊急事態宣言がなされています。よって当院においても、収束宣言をする時期ではないと判断します。院内だけのことととらえず、重点医療機関として、県内の新型コロナ感染拡大防止に寄与すると同時に、自院における迅速な新型コロナウイルス感染症の核酸検出検査を行うことによって、地域に貢献していきたいと考えております。
昨年末より当院において、新型コロナウイルスの検査(核酸検出検査;LAMP法)を開始しておりますが、結果の解釈において注意を要することがあるので報告します。
例えば、このコロナ禍のなか、救急患者の搬送や受け入れが、より困難になり過重労働の中、現場の救急隊員が搬送したある患者さんが翌日、入院後発熱し新型コロナウイルス感染が判明しました。隊員は、通常のサージカルマスクや手袋等の感染対策はしていましたが、心配になりPCR検査を行ったとします。
検査の結果は「陰性」と出ましたが、接触の可能性があった日から2日目の検査でした。
この場合、当該隊員が、人手がない中、直ちに業務に戻り、重篤な状態の救急患者の搬送救護にあたることは、感染症拡大防止の観点から、非常に不十分な対応です。
できれば感染の可能性の時期から一定期間(10日~14日)は、直接の業務につかず、隊員自身の健康観察を行い、症状が出現すれば再度のPCR検査が必要となります。
これは家庭内でも同様で、会社員の父親の同僚が発熱しPCR陽性が判明したため、父親は症状がありませんでしたが、PCR検査をすると陽性が判明。同居の母親と娘は、ただちにPCR検査を行い両名とも「陰性」でした。このため、父親ひとりを自宅療養として、母親と娘は高齢の祖父母宅に身を寄せた、ということと同じで、高齢の祖父母に感染を広げる可能性があります。
せっかく検査しても、感染拡大防止に寄与することができない結果になることを防ぐために当院では、検査結果と同時に下記に記すような内容を書いた説明書を渡しています。
症状がなく、検査を受けられる方に
~新型コロナウイルス感染症の検査について~
新型コロナウイルス感染症の検査は、核酸検出検査、抗原検査(定性、定量)、抗体検査等がありますが、現在も、それぞれ開発中であり、常に新しい正確な情報を理解したうえで検査結果を解釈しなければいけません。
当院においては、核酸検出検査としてLAMP法を用いています。LAMP法は、PCR検査と同様に、新型コロナウイルス(SARS-Cov-2という名前)に特異なRNA遺伝子配列を増幅し、検出する方法で、リアルタイムPCR検査と比較し、感度は落ちますが、実用範囲で、PCR検査が急いでも数時間(検査そのもので1~5時間)要するのに対し、LAMP法では一定温度で遺伝子を増幅するため、反応時間が35~50分程度の短時間で、できる利点があります。
感染者または、感染の可能性のある方(濃厚接触者や感染の可能性の高い環境での一定時間の滞在など)と接触した日、つまりご自身の体内にウイルスが入り上咽頭、気管、肺などの細胞にウイルスが侵入したかもしれない日をX日とすると、X+14日までの期間(潜伏期)は、感染していても(不顕性感染)、検査では陰性の可能性が高い時期です(図のweek-2~week-1の期間。青い線が表しているようにX+7日目から検査の感度は上がってきます)。
つまり、今日感染の可能性があったからといって明日や明後日に検査を急いで行っても、最初の一週間ではほとんど検出されません(図のweek-2と図の青い線 鼻咽頭拭い液PCR)。熱や咳などの呼吸器症状、倦怠感、下痢、味覚異常他の症状が出現した時期とその後(図の発症からweek1~week2の途中、10日間ほど)において、検査は陽性に出る可能性が高くなります。また、発症前の3日から、発症後の7日ほどの期間は、感染者が他人にウイルスを移す可能性の高い時期です(図の赤い線 気道からのウイルスの分離)。このことはご自身の接触の可能性(行動歴)を考えるうえで重要です。
分かりにくいと思いますが、この図を見ながら、ご自分の行動歴、接触の可能性から、検査する時期が適切かを判断したうえで「陰性」の意味を理解してください。
偽陰性(本当は感染してウイルスは細胞内に存在しているが、検査では陰性)の可能性が高い時期の「陰性」の人は、十分ご自身の行動を意識するとともに、健康観察を続けていただきたいと思います。
補足になりますが、図のweek3の時期、症状がなくなっている人については、PCRは陽性に出ますが、他者に移す可能性低い時期です。
これらの知見は、公衆衛生学的(疫学)な根拠によるもので、実際の臨床上では、症状のとらえ方や個々の方の健康状態を総合して判断しますので、ご不明な点については個別にご相談ください。
注;一般的に理解しやすいよう一部の表現は、感染症学における正確な学術的記述をしていません。
以上のような内容の文書を、下に示すような検査結果報告書と一緒にお持ち帰りいただきます。なお、臨床検査技師は、実地研修等を受け、常に新しい知見を学んでおります。
最後に、私個人の令和3年1月12日付のフェイスブックの投稿を参考のため添付します。
一部の表現はあくまでも法人理事長の立場としてではなく、個人としての表現です。
熊本県指定の新型コロナウイルス感染症重点医療機関としての患者さんの入院治療の受け入れが始まった。熊本県も県内全域で集団感染、家族内感染、市中感染が増加してきている。
年末年始、休日等関係なく県内各地域の保健所職員、県職員が新たな感染者で入院が必要な方々を振り分ける。
とにかく感染者が急増しており、我々以上の激務と考えられるので出来得る限り協力をしたい。
当院も駐車場からの別動線で搬入室できる、
陰圧室で高機能のフィルターを設置し、
遠隔で動脈血酸素飽和度や血圧、脈拍、心電図、体温等の生命兆候を常時観察する部屋を元手術室だったところを改造して専用の治療室を用意した。
なるべく隔離され孤独を強要される患者さんには、ストレスを軽減し(ある意味、免疫力を低下させないことは、不確実な薬剤投与より効果が高いと考えている)自由にしていただくためテレビ鑑賞等、本人が好きなことで、こちらで、できることを現場の意見を聴きながら準備するようにしている。
専従の看護職員も2名一組2交代で
24時間看護をする。
新しいだけの不確実な知見や、にわか評論家、自称専門家、現場を経験したことがない医師免許所有者たちの中途半端な情報や大衆の興味をそそるためだけの内容の報道に囚われず、
日々変わるが、信頼できる発信元の最新の科学的知識を得つづけること、また同時に純粋に相手(患者さんや家族そして同僚)の立場にたって自分が今何をすべきかという人として基本的な態度の両面を大事にもって治療にあたることを担当みんなで再確認した。
医療施設としてのクラスターを県内で一番最初に経験し、2か月間の実践を通して学んだ、この新しい感染症の知識を、すくなくとも現時点で明らかなこととして、巷で話題になっていることの中から、みんなが知っておくべきことを
少しだけ(全然、少しじゃなくなったけど)以下に書いておきます。
① 新型コロナは、普通の風邪と変わりない?
飛沫による感染(およそ2m以内のマスクなしの会話;サージカルマスク-不織布が好ましい)とドアノブや水栓等の金属を共用する接触感染、10分以上、閉所での換気できない状態などで、ヒトからヒトへの感染が強い。
慢性呼吸器疾患と血管に関わる基礎疾患、高血圧、心臓病、糖尿病、動脈硬化関連疾患、向精神薬、ステロイド、抗がん剤、免疫抑制剤等の長期(多剤)投与の人たちは年齢にかかわらず重症化率、死亡率は高い。24時間かからず急変する。例年のインフルエンザでも高齢者が肺炎を併発し、亡くなることも多いのですが、数ではなく急変の速度が速い。私も、この2ヶ月で70名近くの擬似症含めた感染者と関わってきましたが実際に5名(直接死因2名)の患者さんを亡くすことになりました。
これらの事実を考慮すると、普通の「かぜ」と一緒と考えてはいけない。私も30年以上臨床医をやってきたが、こんな「風邪」はない。
② PCR検査が陰性だったら大丈夫?
ここでは「感染」とは、ウイルス(SARS-Cov-2という名前)が人間の口や鼻から入って、のどの粘膜の細胞に侵入した状態とすると、感染したから即、感染症(熱や咳、息苦しさ、倦怠感、下痢、味覚障害などの症状が出る)になるわけではなく、細胞に侵入した日から最長で14日ほどかけて、その人の免疫(外から入ってきた異物を食べたり、抗体という武器を使って侵入や増殖を防いだりする疫(病い)から免れる、人間が備えている自己治癒力)が、ウイルスと戦います。免疫が優勢なら数日でウイルスの増殖を抑えて最終的には排除します。
この際に、ウイルスの量によっては、ウイルス保持者は、息をしても声を出して話をしても同時に飛沫(唾液等の小さな粒にウイルスを含む)としてウイルスを外に排出します(人に感染させる可能性がある)。排出させるに十分なウイルス量でも、人には移すが本人には全く症状がない場合もあります。もし、免疫が十分働くよりウイルスの増殖が速ければ、ウイルスは、ある量に達し、肺の細胞や、喉の粘膜から血液中に入り全身に運ばれます。この状態が、感染症であり、熱や呼吸器症状、倦怠感、下痢などの症状を伴います。ウイルスが侵入して、14日間のうち、いずれの状態の時もPCR検査は陽性になりえます。しかし、最初の4~5日までは、陰性のことも多いです(偽陰性)。7~10日頃が一番陽性に出やすく、中には,典型的な症状があっても陰性が続いて14日目に陽性と出た方もいました。つまり、同居の家族や、職場の同僚の感染が確認されて直ぐにPCR検査をして陰性だったからといってもその14日間は、継続した観察が必要です。感染症を起こして、つまり症状が出て7日たてば、感染力はほぼなくなります。(症状が、悪化せず臨床的に寛解した場合、つまりこの部分は専門の医師が総合的に判断する必要がある)しかし、問題は症状が出る2日前から人に移します。特に発症直前(平均0.7日前)が最も感染しやすいことがわかりました。ですから重要なこととして、たまたまPCRが陰性で症状もない人が他人に感染させ得る場合が多々あるということです。ただし、前述したように発症後7日ほどで感染性は急激に低下します。
正しく認識しておく事実(将来変わるかもしれないが現時点で)として、濃厚接触者(発症2日前から現時点までの間に感染者とマスクなしで15分、1.5以内の距離でいた人)で症状のない人、あるいはPCR陽性で症状がない人は10日間、症状がない状態が続けば、人には移しません。この時期、PCRが陽性に出ることも多々ありますが、この場合はPCR陽性でも、人に移しません。
結局、PCR検査は、正しく検体が採取され、正しく搬送および検査手順がなされた条件のもと、検査した時期とその結果の解釈は、十分に検討したうえで結論を出す必要がある。
本当の専門家の判断が重要なので、安易に一回検査して陰性だからもう大丈夫と言って行動を緩めてはいけない。安価な検査や一回だけの無料の検査等においては、結果の解釈を誤解しないようにしていただきたい。わかりにくいと思いますが、PCR検査は積極的にすべきですが、必要な人が必要な時期に、必要な回数してはじめて意味を成します。
③ ウイルスは、ごみ箱の中のごみの中で1週間生きている?
ウイルス単体では、たとえば、枕についていたとしたら72時間で失活(増殖したり感染したりしなくなる)する。
沢山になりそうなので、ここらへんでやめますが、少しずつ正しい知識を持って
厳しくすることと、ゆっくり自由にすることを
確実に日常の習慣に出来ればと思います。
令和3年1月15日(金)午後4時10分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第六十三報)
令和2年10月21日発生の当院における院内集団感染については、熊本県より12月16日付で収束の広報がなされました。第六十二報でご報告したように、当院としての「収束」は、①当院における集団隔離病棟すべての消毒および通常病棟管理の状態の確認 ②感染症指定医療機関に入院加療中の関連した患者様の治療の終了、を最低の要件として行うこととしております。昨日をもって①が終了し、本日、最後の1名の患者様が当院に帰ってこられ、②が終了しました。
今回の院内集団感染(クラスター)の結果として、新型コロナウイルス感染症確定患者、無症状病原体保有者、濃厚接触者、計69名全員を隔離(コホーティング)し、段階的に区域を安全区域と危険区域に感染の拡大の状況に応じて分け(ゾーニング)、最終的に危険区域縮小を経て、解除とする方法を取りました。これに55日を要しました。感染により日常の自由を制限された69名の方々の転帰は、64名が治癒(38名が観察期間終了)、5名が死去(うち3名の直接死因は新型コロナウイルス感染症以外)でした。
当院においては一旦の収束となっており、現在感染者は確認されておりません。しかし県内においては、施設内集団感染をはじめ、市中感染の急増を認めています。当院においても年末から年始にかけて、職員の、症状を認めない感染の危険性等も増加することを想定しなくてはならないと考えます。また現在は、院内の状況が落ち着いたことによる、集団心理上の達成後の虚脱と、患者様を含めた他者の発熱等による過剰な反応等を注意深く、お互い気づきあい、本当の意味の日常業務環境に戻る時期の重要な入り口と考えます。
よって当院としての収束宣言は、院内の状況と職員の心理状況の変化を十分に考慮して、年明けに行いたいと思います。同時に今回の経験を通して得ることのできた、今後の新型コロナウイルス感染症対策に有用と考えられる事項を、整理してご報告したいと思います。
当院において本年は、12月28日が年末の通常業務の最終日(仕事納め)でありますが、本日13時40分、熊本県より重点医療機関指定書が届きました。明日より年明けの1月3日まではどうしても、人員が不足致しますが、今年は可能な限り病院機能を維持し、通常の精神医療福祉(令和3年1月1日 精神科救急輪番、12月29日から1月3日までの措置診察等)を行いながら、新型コロナウイルス感染症重点医療機関としての役割を認識し、大変お世話になった熊本県における医療の維持に微力であっても、職員一同尽力していきたいと思います。
令和2年12月28日(月)午後5時50分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
ご報告
令和2年12月21日、阿蘇やまなみ病院院内発生の新型コロナウイルス集団感染症にて、11月14日PCR検査陽性を認め、11月15日より、感染症指定医療機関にて御加療中の患者様が、本日午後、亡くなられたとの報告を受けました。ご逝去された患者様には職員一同、衷心よりご冥福をお祈りし、ご遺族の方々には謹んでお悔やみ申し上げます。
令和2年12月21日(月)午後3時50分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長・院長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第六十二報)
昨日、令和2年12月16日、熊本県より「院内感染が収束し、感染者がいなくなったものと判断されました」と、クラスターの収束が広報されました。
今後は、慎重を期すために、6階集団隔離病棟のC区域(本日がDay 16)に関しては、12月22日(Day 21)まで看護職員は防護服着用にて対応し、21名の患者様の健康観察を継続していきます。また、今回のクラスターに関連して3名の患者様が現在も感染症指定医療機関にて治療中であり、この3名の治療が終了することと、前述のC区域の健康観察が終了することを最低の条件として、当院における収束宣言とします。
本日までクラスターが発生して以来、56日間、毎日、当院の状況を報告して参りました。明日以降は、当院入院中の患者様、外来患者様、そのご家族、職員、職員家族、地域住民の方に対し、必要と考えられる情報がありましたら、ご報告申し上げます。また、新型コロナウイルス感染症重点医療機関としての対応についても、必要時、ご報告して参ります。
令和2年12月17日(木)午後3時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第六十一報)
令和2年12月16日(水)午後4時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より56日目を迎えました。
6階病棟C区域 Day 15(昨日で行政による濃厚接触者の健康観察期間が終了)
6階集団隔離病棟における本日の状況ですが、今回の令和2年10月21日より発生したクラスター(院内集団感染)における、最後の濃厚接触者の集団の健康観察期間が、昨日をもって終了しました。このことは、積極的疫学調査等を根拠とした、新型コロナウイルス感染症の患者様が当院からいなくなり、クラスターの終焉を意味します。
当初から当院に駐在していただいた厚生労働省感染症対策地域支援班の現在、北海道の旭川においてクラスター対策の指揮を執っておられる近藤久禎先生をはじめ、同 赤星昂己先生、池田初男先生、鈴木教久先生、三村誠二先生に最新の知識と実体験を基にした現場の対応法から、職員の精神的ケアに至るまで、ご助言をいただきました。
また阿蘇保健所、熊本県クラスター班、阿蘇市、地元の阿蘇医療センターの甲斐豊院長、柿本純子感染管理認定看護師にも、多くのご助言や現場での援助をいただきました。
専門的治療においては、熊本県内の9か所の感染症指定医療機関において、患者様の手厚い治療に多大なるご協力をしていただいております。現在も、3名の患者様が入院継続中です。
阿蘇保健所の稲田知久所長、川口薫課長、上野玲子主幹、福田奏江参事、志賀祐介主任技師ほかの皆様には、これまで822件のPCR検査の検体の回収から運搬を含め、多岐にわたる激務の中、毎日の当院での会議に出席いただき、本庁の窓口としても、多くの助言、ご指導をいただきました。
また、熊本県健康福祉部 岡崎光治健康局長、危機管理課 上野一宏課長、医療政策課 三牧芳浩課長、村崎辰郎参事、障がい者支援課 高三潴晋審議員、認知症対策・地域ケア推進課 伊津野裕昭課長には、一民間病院の現場の意見に常に耳を傾け、適切な対応を迅速にとっていただき、心より感謝いたしております。
このように大変多くの方々に支えられ、下に提示している本日の熊本県の報道資料において、「院内感染が収束し、感染者がいなくなったものと判断されました」と、クラスターの収束が広報されました。(図1)
連日、申し上げているように当院としての収束宣言には至りませんが、今後は並行して、新型コロナウイルス感染症重点指定医療機関として、県内の新規の、精神疾患を伴う新型コロナウイルス感染症の患者様の入院の受諾を行うために、準備を継続して参ります。
令和2年12月16日(水)午後6時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第六十報)
令和2年12月15日(火)午後4時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より55日目を迎えました。
6階病棟C区域 Day 14(行政による濃厚接触者の健康観察期間最終日)
6階集団隔離病棟における本日の状況です。
6階集団隔離病棟C区域における15日間(12月1日;Day 0~12月15日;Day 14)の健康観察中の21名と、その他の患者様、職員に特に変わりはございませんでした。
6階集団隔離病棟以外の本日の状況ですが、昨日、発熱を認めPCR検査を提出していた4階病棟の患者様は、陰性の報告を受けました。その他の患者様、職員に特に変わりはありません。
感染症指定医療機関入院中の3名の患者様の本日の状態は、無症状が0名、軽症が0名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が1名、中等症Ⅱが0名、重症が2名との報告を受けております。
本日、このあと6時間、有症状者を認めない場合、55日間続いた、感染症法に基づく院内集団感染対策としての行政による検査、健康観察等が本日をもって終了し、いわゆる収束宣言となります。しかし、昨日の第五十九報でご報告したように、今回のクラスター関連の3名の患者様が本日時点も入院治療中であり、また、当院の患者様や現場職員の家族を含めた日常生活の制限も継続しており、臨床的にも十分に新たな感染の可能性が限りなく低く、安心が確保された時点で、病院としての収束宣言を行いたいと思います。また、今後の県内の新規の新型コロナウイルス感染症の患者様の受け入れ準備も、同時進行中です。
令和2年12月15日(火)午後5時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第五十九報)
令和2年12月14日(月)午後4時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より54日目を迎えました。
6階病棟C区域 Day 13
6階集団隔離病棟における本日の状況です。
6階集団隔離病棟C区域の12月15日(Day 14)まで健康観察中の21名と、その他の患者様、職員に特に変わりはございませんでした。
6階集団隔離病棟以外の本日の状況ですが、4階病棟の患者様1名に38.7度の発熱を認め、本日午前中にPCR検査を提出いたしました。現時点で結果の報告は受けておりません。その他の患者様、職員に特に変わりはありません。
感染症指定医療機関入院中の3名の患者様の本日の状態は、無症状が0名、軽症が0名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が1名、中等症Ⅱが1名、重症が1名との報告を受けております。
明日で6階集団隔離病棟における、保健所等の行政による、いわゆる今回の当院におけるクラスターの「濃厚接触者」の健康観察期間の終了(Day 14)を迎えることになります。
明日の一日でPCR検査の提出を要するような有症状の患者様が出ない場合、熊本県からの報道資料上では、「クラスターが終息したと判断」という記載になると思います。(参照 図1:令和2年12月3日付の熊本県報道資料:熊本県の新型コロナウイルス感染症の状況)
ここで言う「終息」は、当院にとっては「収束」であり、行政措置的にはクラスターが完全に終息し、以降の行政検査としてのPCR検査(公費)が終了したと解釈するのだと思いますが、当院の立場では、明日時点でも今回のクラスターに関連した、3名の重症を含む患者様が感染症指定医療機関にて懸命の治療を受けている最中です。治療を依頼している我々や、患者様のご家族にとっては、クラスター関連として終了はしていません。また臨床上、終息というには、コロナウイルスが完全に撲滅されなければならず、今回の新型コロナウイルスは、インフルエンザウイルス等と同様、今後も共存していくウイルスと考えます。また、ある一定量のウイルス量を保持し、他者に感染を起こさせる可能性のある患者様が全くいない状況と判断するには、Day 14という数字を根拠に決定することは、臨床上は困難であると考えます。よって行政機関や報道等における収束(終息?)と、当院がご報告する「収束」は、異なるものと考えていただけたらと思います。行政措置が終わった後も、臨床上あるいは、当院の患者様、家族、職員、地域の方々の心理的な側面を考慮し、ある程度の期間、これまでと同等の感染防止対策および慎重な観察を継続し、臨床上、十分納得できる状況をもって、当院のクラスターの収束宣言を行いたいと考えております。
令和2年12月14日(月)午後5時30分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第五十八報)
令和2年12月13日(日)午後4時30分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より53日目を迎えました。
6階病棟C区域 Day 12
6階集団隔離病棟における本日の状況です。
6階集団隔離病棟C区域の12月15日(Day 14)まで健康観察中の21名と、その他の患者様、職員に特に変わりはございませんでした。
6階集団隔離病棟以外の本日の状況ですが、昨日PCR検査を提出していた4階患者様1名は陰性が確認され、熱も下がられております。また昨日発熱された3階病棟の1名も、本日は解熱されております。その他、4階病棟の患者様1名に血中酸素飽和度の低下を認め、発熱はありませんが、個室に移動していただき、健康観察を行っております。その他の患者様、職員に特に変わりはありません。
感染症指定医療機関入院中の3名の患者様の本日の状態は、無症状が0名、軽症が0名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が2名、中等症Ⅱが0名、重症が1名との報告を受けております。
令和2年12月13日(日)午後5時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第五十七報)
令和2年12月12日(土)午後4時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より52日目を迎えました。
6階病棟C区域 Day 11
6階集団隔離病棟における本日の状況です。
6階集団隔離病棟C区域の12月15日(Day 14)まで健康観察中の21名と、その他の患者様、職員に特に変わりはございませんでした
6階集団隔離病棟以外の本日の状況ですが、4階患者様1名に38.1度の発熱を認め、午前中にPCR検査を提出致しました。現時点で結果の報告は受けておりません。また3階患者様1名に37.4度の発熱を認めましたが、この方は脱水の疑いで、PCR検査は施行しておりません。お二人とも個室へ移動していただき、健康観察を行っております。
感染症指定医療機関入院中の3名の患者様の本日の状態は、無症状が0名、軽症が0名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が2名、中等症Ⅱが0名、重症が1名との報告を受けております。
10月21日発生当初のクラスター関連の対象者集団69名(結果的に2名の職員を含む)から本日現在、21名に縮小してきた対象者集団のDay 14(12月15日)が近づいております。しかし、前回のDay 14は3日前のDay 11に陽性者が確認され、翌日よりDay 0に再設定されました。その後、同室者3名中2名が当初、PCR検査陰性でしたが、数日後に再度のPCR検査で陽性が確認されました。今回も本日がDay 11であり、最後の1日まで慎重に健康観察を行って参ります。
これらの経験から、陽性者が確認された直後に、接触者や濃厚接触者に対し、PCR検査を行って陰性を認めたとしても、6日~14日後に症状の有無を問わず、再度検査をすると、陽性が認められる可能性は少なくありません。
特に無症状の場合でも、他者に感染させる可能性があるということです。
今般の市中感染が増加する中、繁華街等で陽性者が出た施設において、従業員や利用者の検査が行われますが、直後の1回の検査で陰性が確認されたからといって安心せず、特に若い世代の方においては、感染対策防止(マスク、手洗い、三密を避ける、換気、自らの行動等)を忘れずに継続してほしいと思います。
繰り返しになりますが、今後も市中感染がまだまだ増加する時期だと考えます。PCR検査の時期とその検査結果の解釈については、慎重を要することを忘れてはならないと思います。
令和2年12月12日(土)午後4時30分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第五十六報)
令和2年12月11日(金)午後4時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より51日目を迎えました。
6階病棟C区域 Day 10
6階集団隔離病棟における本日の状況です。
6階集団隔離病棟C区域の12月15日(Day 14)まで健康観察中の21名と、その他の患者様、職員に特に変わりはございませんでした
6階集団隔離病棟以外の本日の状況ですが、その他の病棟の患者様、職員とも変わりはございませんでした。
感染症指定医療機関入院中の3名の患者様の本日の状態は、無症状が0名、軽症が0名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が1名、中等症Ⅱが1名、重症が1名との報告を受けております。本日は、感染症指定医療機関より1名の患者様が戻ってこられました。これにより、令和2年10月21日発生の当院における院内集団感染(クラスター)は、最初の感染者、濃厚接触者および接触者の合計が69名(2名の職員を含む)で、本日時点で41名が治癒(寛解)、3名が治療中、4名が死去(うち2名は新型コロナウイルス以外の直接死因)、残りの21名が、現在、6階病棟C区域にて、12月15日(Day 14)まで健康観察中です。
クラスター発生以来、6階集団隔離病棟で、この50日間以上、個人防護服を一日必要時、何回も着替え、感染対策の知識と技能を習得し、隔離された患者様(新型コロナウイルス感染症患者、無症状病原体保有者、疑似症患者、それに加え、PCR検査陽性であるが感染症は成立しておらず、他の慢性疾患による呼吸器症状を伴う患者等)の看護を実践してきた看護師、准看護師19名と他の病棟の看護師の中から、自ら志願し、家庭環境及び家族の理解も得ている11名の精鋭の職員が、これから当院において、認知症をはじめとする精神疾患を有する、新規の新型コロナ感染症患者様で、一般の感染症指定医療機関での対応が困難な方を受け入れる病棟(6階病棟のA区域を使用)で専従として勤務していただけることになりました。下の表で具体的な勤務表を提示します。
この病棟では、新型コロナウイルス感染症患者あるいは、疑い患者専用の病床を有し、全ての病床で酸素投与および常時の呼吸モニタリングが可能な環境で、健康観察及び治療に加えて日常の食事や入浴、排せつの援助を行って参ります。
今回の経験を通して、軽症から中等症の精神障害を伴う、新型コロナウイルス感染症の患者様たちの入院治療においては、多くの職種の中で、勤務交代はあったとしても、自らの感染防止対策に細心の注意を払いながら、24時間患者様の看護をすることが、とても重要な部分を占めていることを痛感しました。
まだ収束宣言には至っておりませんが、最近の新型コロナウイルス感染症の急増に対し、これまで地域を含め、多くの関係機関からのご支援を受けており、少しでも地域社会に貢献できればと思っている中、11名の使命感にあふれた職員が当院に働いていることに改めて、残りの職員309名一同より感謝し、それぞれの部署で、最前線の直接看護をするこの11名に、全面的に協力をしていきたいと思います。
令和2年12月11日(金)午後4時30分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第五十五報)
令和2年12月10日(木)午後4時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より50日目を迎えました。
6階病棟C区域 Day 09
6階集団隔離病棟における本日の状況です。
6階集団隔離病棟C区域の12月15日(Day 14)まで健康観察中の21名と、その他の患者様、職員に特に変わりはございませんでした
6階集団隔離病棟以外の本日の状況ですが、その他の病棟の患者様、職員とも変わりはございませんでした。
感染症指定医療機関入院中の4名の患者様の本日の状態は、無症状が1名、軽症が1名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が1名、中等症Ⅱが0名、重症が1名との報告を受けております。
本日は、外来患者様で11月30日に39度の発熱、頭痛と倦怠感で近医を受診され、内服を処方されましたが、症状が継続し、12月7日に再受診、内服を変更して様子を見ていました。しかし、昨日より味覚障害も出現し、職場より新型コロナウイルス感染症の検査の陰性の証明書を要求されたとのことで、当院を受診されました。行動歴や同居家族の状態等を伺ったうえで、動線の異なる発熱外来(陰圧室)で診察を行い、LAMP法検査を行いました。血液検査等では、炎症反応等は改善傾向が認められ、LAMP法の結果も陰性であったため、陰性証明書を渡しました。
今後、このような患者様も増えてくると考えられます。
検査が陽性で、特に精神疾患が基礎にある方については、一般の新型コロナに対応する医療機関での対応が困難な場合があります。当院は、阿蘇圏域で唯一の精神病床であることと、この50日間、現場の職員は実戦にて、新型コロナウイルス感染症の入院治療への対応を学び、十分な知識と技能を得てきています。今後の地域社会における役割として、現在の6階集団隔離病棟に新型コロナウイルス感染症の患者様を受け入れる準備をはじめております。現在、全国的にも感染者が急増し、病床数が足りない中、特に認知症をはじめとする精神疾患を持つ方々に対応する病床が必要になってくると考えられます。
今回の当院のクラスターにより、多くの関係機関、地域の方々からのご支援をいただきました。今度は我々がご心配をかけてきた地域に対し、少しでも恩返しをできる立場になれればと考えております。
本日も、地域の阿蘇ロータリークラブの岩永安隆会長をはじめ会員の方々が、現場でがんばっている職員に、驚くほどたくさんの陣中見舞いの品を持ってきていただきました。心より感謝申し上げるとともに、収束のあかつきには、よりいっそうの地域貢献ができるよう職員一同、心して努めて参ります。
令和2年12月10日(木)午後5時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第五十四報)
令和2年12月9日(水)午後4時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より49日目を迎えました。
6階病棟C区域 Day 08
6階集団隔離病棟における本日の状況です。
昨日、6階集団隔離病棟C区域21名(昨日のスクリーニング検査にて全員陰性)と、その他の患者様、職員に特に変わりはございませんでした。
6階集団隔離病棟以外の本日の状況ですが、その他の病棟の患者様、職員とも変わりはございませんでした。
感染症指定医療機関入院中の4名の患者様の本日の状態は、無症状が0名、軽症が0名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が2名、中等症Ⅱが1名、重症が1名との報告を受けております。本日は感染症指定医療機関より1名の方が元気に戻ってこられました。
治療にあたっていただいている感染症指定医療機関の皆様には、心より感謝申し上げます。
今回の令和2年10月21日発生の当院における院内集団感染(クラスター)は、最初の感染者、濃厚接触者および接触者の合計が69名(2名の職員を含む)で、本日時点で40名が治癒(寛解)、4名が治療中、4名が死去(うち2名は新型コロナウイルス以外の直接死因)、残りの21名が、現在、6階病棟C区域にて、12月15日(Day 14)まで健康観察中です。
令和2年12月9日(水)午後4時30分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第五十三報)
令和2年12月8日(火)午後4時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より48日目を迎えました。
6階病棟C区域 Day 07
6階集団隔離病棟における本日の状況です。
昨日、6階集団隔離病棟C区域21名と、12月1日より発熱の症状があり、A区域個室に移動していた1名、計22名にスクリーニング検査をおこないました。その結果、C区域の21名はすべて陰性でした。
A区域の患者様については、陽性との報告を受けました。
この方は11月29日に陽性を認めた方と同室で、その患者様を含め4名の患者様が入院されておりました。11月30日に、別の1名の陽性が確認されました。その後、本日陽性の報告を受けた患者様は、12月1日に発熱、倦怠感が出現し、臨床的に強く新型コロナウイルス感染症を疑い、同日、再度のPCR検査を施行、陰性のため経過を観察していましたが、翌日より血中酸素飽和度の低下を認め、症状の進行が早く、早期の専門的治療の必要性を考慮し、再度、12月3日に抗原検査および、LAMP法検査を行いました。しかし、すべて陰性でした。今回の12月7日のスクリーニング検査でようやく陽性を認め、本日急遽、感染症指定医療機関へ転院することができました。
このことは、新型コロナ感染症治療におけるひとつの課題で、例えば、インフルエンザであれば、簡易キットにて陽性が出なくても、臨床医学的に診断できれば、抗ウイルス剤の投与等、早期に開始でき、重症化を防げますが、臨床医学的に強く新型コロナウイルス感染症を疑っても、行政措置のもとでは、PCRが陽性になるまで、専門医療機関への転院ができず、適切な転院時期を逃す可能性があります。
今回、当院におけるクラスター対策を通してわかったことのひとつに、感染した日から7日間ほどは陽性に出にくく、7日を過ぎると陽性に出る可能性が高くなる傾向があります。つまり、陽性患者様が出たときに、すぐPCR検査を行い、陰性の結果を得ても、偽陰性(本当は陽性であるが、検査結果としては陰性に出ている)の可能性が常にあることを頭に置いたゾーニング等の対応が必須です。他の疾患同様、新型コロナウイルス感染症も、行政措置の間であっても、主治医の臨床診断により、転院先主治医と十分な情報交換の上、PCR陰性であっても、転院等ができるように、柔軟に対応できればと思います。この患者様は、PCR陽性の結果を得るまでに、結果的に7回の検査を費やしました。
C区域においては、前述したように、今回陽性に出た患者様に対し、臨床的に強く新型コロナウイルス感染症を疑ったため、12月1日時点でA区域個室に移動していただいていたため、C区域のDay に関しては、そのまま継続したDay 7となります。
その他の患者様、職員に特に変わりはございませんでした。
6階集団隔離病棟以外の本日の状況ですが、その他の病棟の患者様、職員とも変わりはございませんでした。
感染症指定医療機関入院中の4名の患者様の本日の状態は、無症状が1名、軽症が0名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が2名、中等症Ⅱが0名、重症が1名との報告を受けております。
世界中で唯一、活火山を擁するカルデラの中で人が生活を営む、この阿蘇の地域で、多くの賞を取っている阿部牧場より、現場の職員に陣中見舞いの、とても美味しい飲むヨーグルトをたくさんいただきました。長期にわたっておりますが、地域の方々からも温かいご支援をいただき、それにきちんと応えられるよう、職員一同取り組んで参ります。
令和2年12月8日(火)午後5時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第五十二報)
令和2年12月7日(月)午後4時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より47日目を迎えました。
6階病棟C区域 Day 06
6階集団隔離病棟における本日の状況です。6階病棟で最後に陽性者が確認されたのは11月30日であり、現在14日間の健康観察中です。本来陽性であっても、検査の時期と、その個人の免疫が関与したウイルス量により、陰性に出る時期もあるため(第四十六報の図1)、11月30日から一週間たった本日午後、6階集団隔離病棟C区域21名と、発熱の症状があるA区域1名(陽性者と同室歴あり。12月1日、PCR検査陰性、12月3日に抗原検査、LAMP法検査ともに陰性)、計22名全員に対してスクリーニングとしてPCR検査を施行致しました。結果は明日、報告予定です。その他の患者様、職員に特に変わりはございませんでした。
6階集団隔離病棟以外の本日の状況ですが、昨日PCR検査を提出した7階病棟の患者様2名の結果は陰性でした。その他の病棟の患者様、職員とも変わりはございませんでした。
感染症指定医療機関入院中の4名の患者様の本日の状態は、無症状が1名、軽症が1名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が1名、中等症Ⅱが0名、重症が1名との報告を受けております。
本日より、通常外来を再開いたしました。
クラスター発生以前と同様、玄関にて検温、手指消毒、マスク着用の徹底は、通常の感染防止対策同様にお願いいたします。また、ご心配な方は、外来看護師、相談員までご連絡ください。電話診療と送薬は継続して参ります。
令和2年12月7日(月)午後4時30分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第五十一報)
令和2年12月6日(日)午後4時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より46日目を迎えました。
6階病棟C区域 Day 05
6階集団隔離病棟における本日の状況です。経過観察を行っているA区域個室の患者様1名は本日、37.0度でその他、血中酸素飽和度を含め、異常はありません。その他の患者様、職員に特に変わりはございませんでした。
6階集団隔離病棟以外の本日の状況ですが、昨日発熱し、個室で経過観察している4階の患者様2名は、特に症状はありません。7階病棟の患者様2名(誤嚥性肺炎で治療中の1名、心不全、胸水で治療中の1名)に発熱と血中酸素飽和度の低下傾向が認められたため、本日午後、保健所の指示のもとPCR検査を提出しています。その他の病棟の患者様、職員とも変わりはございませんでした。
感染症指定医療機関入院中の4名の患者様の本日の状態は、無症状が1名、軽症が1名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が1名、中等症Ⅱが0名、重症が1名との報告を受けております。
毎日、報告を書きながら、本日のようにあまりご報告することがないということは、ある意味、平常に戻る方向を向いていることだと感じておりますが、本日の7階の2名の検査提出のように、収束に近づいてきても、気を緩めることなく、引き続き努力して参ります。
令和2年12月6日(日)午後4時45分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第五十報)
6令和2年12月5日(土)午後5時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より45日目を迎えました。
6階病棟C区域 Day 04
6階集団隔離病棟における本日の状況です。A区域個室の患者様1名(陽性者と同室歴あり。12月1日、PCR検査陰性、12月3日に抗原検査、LAMP法検査ともに陰性)に37.4度の発熱がありましたが、12月7日のスクリーニング検査(6階集団隔離病棟C区域21名とA区域1名、計22名全員の検査)にてPCR検査施行予定です。その他の患者様、職員に特に変わりはございませんでした。
6階集団隔離病棟以外の本日の状況ですが、4階の患者様1名に37.5度の発熱と鼻閉、1名に37.4度の発熱を認めました。2名とも当直医の診察により処方が行われ、PCR検査は行わずに経過を観察しております。その他の病棟の患者様、職員とも変わりはございませんでした。
感染症指定医療機関入院中の4名の患者様の本日の状態は、無症状が1名、軽症が1名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が0名、中等症Ⅱが1名、重症が1名との報告を受けております。
本日は、当院のクラスター(院内集団感染)とは関連しませんが、地域において多くの方々の健康を管理されている重要な方で、新型コロナウイルス感染者との接触がありましたが、いわゆる濃厚接触者ではなく、行政検査の対象とならなかったため、急遽、当院にて2例の検査を陰圧室外来で行いました。
当院が11月19日に導入した、核酸増幅検査装置(LAMP法:Loop-mediated Isothermal Amplification:ループ介在等温増幅法)による検査は、「PCR法と同じく、検体からRNAを検出する方法で、PCR法に比べて増幅効果が高く短時間で、できる検査です。PCR法と比較し、全体一致率96%程度(陰性一致率100%)である。」とされています。
検査はいくつもの手順を踏んで結果が導き出されますが、正確に行われるためには、臨床検査技師による丁寧で精密な手技が求められます。本来は医師が診察の上、新型コロナウイルス感染が疑われる場合に検査が行われるべきです。しかし本ウイルスの特徴として、無症状でも感染が完成している場合があり、感染者との接触等がある場合、感染症そのものの症状ではなく、この1年近くにおよぶ不確実な情報の氾濫や、周囲の人との人間関係等において、不安から多彩な精神症状や身体症状を伴い、日常生活に支障が出ることがあり、必要時には、早期の検査にて陰性を確認することは、臨床上、重要と考えます。
また、その検査は、検体の取り方をはじめ、下に写真で示すように、専門の臨床検査技師により、多くの手順を段階的に正確に行い、正しく評価されなければいけません。ぜひ、信頼できる検査ができるところに依頼をしてください。
写真は、①陰圧装置、②感染防止のために防護服を着用、③助手とともに十分な準備、④安全キャビネット内で正確な操作、⑤⑥⑦⑧⑨それぞれの操作に、別の安全キャビネットを使い、最終段階の準備まで、約30分ほどかかります。結果のグラフ⑩が陽性コントロール、⑪が検体(陰性の結果)。最終的に一時間半ほどで検査結果が出ます。
写真⑫は、検査の最終段階である目視確認の様子です。4本の検体は左から、陽性コントロール、陰性コントロール、本日の検査対象の2検体です。陽性コントロール、陰性コントロールとは、検査を行うと、必ずそれぞれが陽性と陰性の結果を示すサンプルのことで、その検査が正しく行われたかどうかを判断する役割を果たします。一番左の陽性コントロールがブラックライトに反応していますが、陰性コントロールを含む残り3検体は無反応で、検査は正しく完了しています。
一連の検査は臨床検査技師1名で行うことはできず、防護服の着脱や道具の受け渡しなど、作業を補助する助手が必要です。テレビ等で評論家の方たちが、検査をもっと増やすようにと報道されますが、このように簡単な検査ではなく、検査センターの職員、保健所職員、県職員ほか、関係する多くの方々は、この長い期間、過重労働になっています。今日は、このことを一般の方にも理解いただき、市中感染で感染者が増加している中ですが、ぜひ一人一人が自分の行動を考えて、みんなで感染拡大を防ぐ努力をしていただきたいと思います。
クラスターという第一線の臨床の場において、確実に当院職員の技能、知識は向上し、医療の質も上がっています。今回の経験をただの苦労で終わらせるのではなく、より一層、組織として成長して参りたいと思います。
なお本日、当院外来で検査をされた2名の方は陰性でした。
令和2年12月5日(土)午後6時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第四十九報)
令和2年12月4日(金)午後3時30分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より44日目を迎えました。
6階病棟C区域 Day 03
6階集団隔離病棟における本日の状況です。C区域、その他の患者様、職員に特に変わりはございませんでした。(有症状者なし)
6階集団隔離病棟以外の本日の状況ですが、患者様、職員とも変わりはございませんでした。(有症状者なし)
感染症指定医療機関入院中の4名の患者様の本日の状態は、無症状が1名、軽症が0名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が1名、中等症Ⅱが1名、重症が1名との報告を受けております。
現在、熊本県をはじめ全国で、新型コロナウイルス感染症の市中感染(当初は、特定の場所で飛沫や接触で感染し、症状がないまま家で家族にうつすような、ある程度経路がわかる感染から始まりましたが、現在は、不特定の場所で不特定の人が症状もなくウイルスをうつすような感染)の時期になり、年代や職業、場所、時間を問わず、いつでも、誰でもが感染してもおかしくない状況となっています。
第十三報で登場した、やまなみ村のお話を覚えていらっしゃるでしょうか。あの時は、どろぼうがウイルス、家が人間で、金庫が人間の細胞、お金を盗まれることが有症状の感染の成立の設定でしたが、今回はどろぼうがウイルスで、お金を盗まれることがPCR陽性とします。
ある村人は、家の鍵をしっかりとかけ、防犯カメラも設置し、防犯対策を確実にして、金庫も押入れの奥にしまっていました。それでも透明人間のどろぼうは、塀を乗り越えて庭に入り、巧妙に金庫を見つけて、お金を盗み出しました。また別の村人は、穴が開いた塀の修理もせず、庭には草が生い茂り、家の鍵はかけずに、金庫も見えるところに置いていました。どろぼうは、やすやすとお金を盗み出しました。最近、お殿さまから、どろぼうが村に入ってきたという注意があっていた中で、2軒の家がどろぼうに入られました。どろぼうに入られていない近所の村人たちは、不安になって、どろぼうに入られた家が悪いとみんなで責めたて、のけ者にしました。
このお話で鍵をかけておらず、ずさんな管理をしていた家の人は、他の村人たちに謝る必要があるかもしれません。これは例えば県知事から、夜遅くの繁華街で、大人数での飲酒を伴う会合は控えるように言われている今の時期に、10人以上の大人数で街に繰り出し、会合を行い、マスクもつけずに大声で話したり、歌ったりすることと同じです。しかし、家にしっかりと鍵をかけて気をつけていたのに(個人や組織ができる対策を行っていたのに)、それでも金庫からお金を盗まれてしまった(PCR検査が陽性になった)のなら、これはずさんな管理をしていた家の人の場合と異なり、ちゃんと防犯対策をしていた家の人は、村人たちに謝る必要はないと思います。この人は、むしろ被害者です。
最近、市中感染による感染の増加する中、会社等の組織で責任者が謝罪を表明する場面をよく目にしますが、安易な謝罪は、第一感染者自身に精神的苦痛を与える可能性があり、本当にずさんな感染対策や、感染が予測できるのに不適切な行動をとっていた場合などを除いて、周囲に不安や迷惑、不便をかける事態ではありますが、事実と今後の対応をお知らせすることは必要ですが、「謝罪」は、することではないと考えています。
最近の明るいニュースに、12月2日、横浜市立大学による新型コロナウイルス回復者を対象とした研究の中間結果の発表がありました。
新型コロナウイルスに感染した方について、これまで海外の報告として、「一度かかったのに、またかかる」、「抗体ができても、すぐなくなる」などの情報を時々耳にしてきました。いつもお話しするように、不確実な情報は不安をあおるだけで、私たちのためになりません。今回の研究は、海外ではなく実際に日本人で、新型コロナウイルスにかかって回復した数百人を、これまで半年間、継続して調査した結果で、
① ウイルスの侵入によって、人間の体はいろんな抗体を作りますが、今回の新型コロナウイルスにも、中和抗体(このウイルスが細胞の中に入るところを確実に邪魔する、つまり、確実に感染を防ぐ働きのある抗体)が存在する
② 少なくとも今の時点で、一度かかって治った9割以上の人たちが、6カ月の間、感染を防ぐ有効な抗体を持ち続けている
③ 重症、中等症の人ほど、回復した場合、中和活性が高い傾向(抗体の働きが良い)
ということがわかりました。つまり、回復した方々はウイルスとの戦いに勝って、最大の武器である抗体を自分で手にした、強い人々なのです。この方たちの中和抗体を調べることにより、今後のワクチンの質やその安全性の検証にも、大きな貢献を果たしてもらうことができます。まだかかっていない人たちは、一度かかって戻った方たちを差別するのではなく、どちらかと言うと、力強い大切な仲間であることを正しく認識すべきであると思います。ちなみに当院には、回復して戻ってこられた患者様20名、職員2名の心強い味方がついております。その意味では、当院の中は街中よりもかえって安全と言っていいくらいです。
最後に、第八報に添付した「新型コロナウイルス感染症に関してわかってきていること」の資料をもう一度、掲載します。新型コロナウイルスは発症後、7~8日を経過すると急激に感染力が下がり、10日ごろにはほとんど感染力はありません。ウイルスは3日以上たつと増殖能や感染能力がなくなるため、陽性者がウイルスのついた手で触った場所や衣服なども3日間が経過すれば、普通に扱うことができます。もし衣類にウイルスがついていても、普通の洗濯方法や洗剤で十分に落ちます。厚生労働省新型コロナ対策地方支援班から頂いた、読むと安心する、とても良い資料ですので、当院ではクラスターの発生直後から職員の教育に利用しています。
正しい情報と知識、そして回復してきた方々という力強い味方を身につけ、市中感染が増えているこの時期こそ、みんなでこの困難を乗り切っていきたいと思います。
令和2年12月4日(金)午後4時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第四十八報)
令和2年12月3日(木)午後4時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より43日目を迎えました。
6階病棟C区域 Day 02:
12月1日より6階病棟南側の601号室~608号室の8部屋の21名と、有症状者の観察室として602号A室に1名の計22名をDay 14の12月15日まで、健康観察を行う予定。クラスター発生時、感染者を含め、疑感染者(濃厚接触者、接触者)、計69名(2名の職員を含む)から、39名が治癒し、4名が入院加療中、4名がご逝去、そして上記の6階病棟C区域の22名を観察中です。この22名がDay 14まで発症しないか、発症されても治癒された時点で今回のクラスターは収束です。
6階集団隔離病棟における本日の状況です。陽性者と同室歴があり、スクリーニングで陰性であったC区域の患者様1名に発熱、咽頭痛を認め、抗原検査およびLAMP法検査を院内で行いましたが、どちらも陰性でしたが、引き続き経過を慎重に観察して参ります。6階職員に特に変わりはございませんでした。
6階集団隔離病棟以外の本日の状況ですが、昨日PCR検査を提出していた4階の患者様1名の結果は陰性でした。その他に本日、4階の患者様1名に37.8度の発熱を認め、当院でLAMP法検査を施行、結果は陰性でした。その他の患者様、職員に変わりはございませんでした。
感染症指定医療機関入院中の4名の患者様の本日の状態は、無症状が1名、軽症が0名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が1名、中等症Ⅱが1名、重症が1名との報告を受けております。
今回の新型コロナウイルス院内集団感染に際し、職員にとって辛く大変な経験も数多くありますが、その一方で、心あたたまる、人々からの訪問が毎日のようにあります。昨日は、八代更生病院理事長の宮本憲司朗先生、ともに阿蘇地域の医療を支えさせていただいている古閑医院院長の古閑宏先生が、現場でがんばっている職員に陣中見舞いを持ってこられました。また、本日は地震からの復興を遂げられ、創立70周年を迎えられた益城病院理事長の犬飼邦明先生はじめスタッフの方々が、益城病院の美しいバラ園のバラと同じDNAを持つバラの苗や、70周年の記念の品々、当院職員への元気が出る差し入れをもって陣中見舞いにお出でになりました。また、阿蘇郡市医師会副会長の立野病院理事長 上村晋一先生、事務局の古木雄一局長も支援物資をもってお見えになりました。また、ある阿蘇市民の方からは、色鮮やかで元気が出る、たくさんの心のこもった手作りバッジをいただきました。退職した職員からも、遠くから当院を気にかける手紙とお志を受け取っております。応援してくださる皆様から力をいただき、職員一同、収束に向けて少しずつ、確実に前へ進んで参ります。
令和2年12月3日(木)午後5時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第四十七報)
令和2年12月2日(水)午後3時45分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より42日目を迎えました。
6階病棟C区域 Day 01
6階集団隔離病棟における本日の状況です。C区域の22名について、昨日スクリーニング検査(全対象者検査)を提出しておりましたが、結果はすべて陰性でした。しかし、同区域からPCR陽性者が出ているため、慎重を期すため、5日後の12月7日(月)に再度、全対象者にPCR検査を予定しております。なお、引き続き、健康観察は続けて参ります。B区域の患者様、6階職員に特に変わりはございませんでした。
6階集団隔離病棟以外の本日の状況ですが、昨日PCR検査を提出していた3階病棟の患者様1名、5階病棟の患者様1名は、2名とも陰性との報告を受けました。また、4階の患者様1名に37.4度の発熱を認め、午後、PCR検査を提出いたしました。現時点で結果の報告は受けておりません。その他の患者様、職員に変わりはございませんでした。
感染症指定医療機関入院中の4名の患者様の本日の状態は、無症状が1名、軽症が0名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が1名、中等症Ⅱが1名、重症が1名との報告を受けております。本日、感染症指定医療機関より患者様1名が元気に戻ってこられました。退院の際には、たくさんの職員の方に見送っていただきました。治療にあたっていただいた医療機関の皆様には心より感謝申し上げます。
令和2年12月2日(水)午後4時05分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第四十六報)
令和2年12月1日(火)午後4時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より41日目を迎えました。
6階病棟B区域 Day 15 健康観察期間終了
6階病棟C区域 Day 03
6階集団隔離病棟(38名)における本日の状況です。C区域において、一昨日PCR検査陽性の方と同室であった患者様の陽性が昨日の夕方に確認され、本日、感染症指定医療機関へ入院されました。このため6階病棟への早期介入のため、C区域の残りの22名についても無症候の感染者の存在の可能性および、これまで縮小してきたクラスターの、より確実な収束に向けたゾーニングの再設定のため、本日午後、スクリーニング検査(全対象者検査)を提出致しました。結果は明日の午後、報告予定です。
6階集団隔離病棟以外の本日の状況ですが、37.2度の発熱を認めた3階病棟の患者様1名、37.7度の発熱を認めた5階病棟の患者様1名のPCR検査を本日午前中に提出致しました。結果は現時点ではまだ、報告を受けておりません。
感染症指定医療機関入院中の5名の患者様の本日の状態は、無症状が1名、軽症が1名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が1名、中等症Ⅱが 1名、重症が1名との報告を受けております。
新聞やテレビの報道で、「熊本県は、阿蘇市の80代男性が死亡したことを発表。クラスター(感染者集団)が発生した阿蘇やまなみ病院の入院患者で、県内の感染者の死亡者数は〇名になった」「県によると、新たに感染が確認された60代の男性は、クラスターが発生した阿蘇やまなみ病院の入院患者で、同病院の感染者は31名となった」等の表現が毎日、なされています。当院の患者様やそのご家族、職員やその家族、病院周辺の地域の方々から「また、病院で亡くなられたんですね」「新しい感染者が毎日増えていますが、本当に大丈夫ですか? 外には広がりませんか?」等の不安の声が、再び多く聞こえるようになりました。
また報道に関する別の例ですが、第三報で「精神疾患の特有性もあり、患者様の常時のマスク着用は不十分であったと考えます」と記載しましたが、これは認知症をはじめ、精神疾患の介護をしたことのある方なら、マスクをするよう何度声をかけても、交換されない、嫌がられる、すぐに外される、床に落としたマスクをまたつけられる、マスクをおむつの中にため込まれる等の、疾患による行動がみられ、常時、付き添うことができなければ、マスクをさせない方が衛生上有益である場合もあります。しかし新聞やテレビの報道では、「精神疾患の特有性もあり」の部分は記載せず、「患者の常時のマスク着用は不十分だった」の部分を切り取られ、あたかも病院の管理に不備があったような印象を与えます。
周囲の不安の声は、このような報道の表現のあり方から受ける印象によるものが大きいと感じています。本日は、このホームページでの毎日の報告の本来の目的の一つである、当事者である当院からの正確な情報と知識をお知らせすることにより、過剰な不安を少しでも軽減するために、これまでの繰り返しになりますが、当院における院内集団感染の現況をお伝えしたいと思います。
まずはじめに、新型コロナウイルス感染とその検査について、これまでにわかっていることをお伝えします。
ウイルスを持っている人が隣で大きな声でお話をしたときに、飛沫(小さな唾液の粒にウイルスが含まれている状態)が空気中にあり、その空気を吸っただけで、口や鼻からウイルスが入ってきます。ウイルスはのどで(上咽頭)とらえられ、その人の免疫(疫から免れる体の仕組み)により、増えるのを抑えられます。ウイルスは1匹がすぐ100匹になりますが、免疫により100匹で抑えられているのならば、何の症状もなく、その人が出す飛沫にもウイルスは混ざりません。その後、免疫と戦いながら100匹を超えずに、そのうちなくなれば、何にもなかったことと一緒です。あるいはなくならず、1万匹まで増えると、症状は全くありませんが、飛沫にウイルスが含まれるようになり、人に移すようになります。さらに疲れていたり、栄養が不足するなど、免疫が十分に働かないと、1万匹が100万匹になります。そうなると、上咽頭から血液の中や肺にウイルスが移り、熱や呼吸器の症状が出現するようになります。この症状が出るまで、飛沫を吸ってから10日~14日の期間がかかることがわかっています。(潜伏期:感染して症状が出るまで)
PCR検査は飛沫を吸って、ウイルスが100匹の時期は、まず陽性には出ません。また、ウイルスが増えて行っている潜伏期の間も、PCR検査は陽性には出にくいです。ただし症状が出る2日前から、その人の飛沫にはウイルスがいっぱい含まれ、それはつまり、人に移す時期になります。この時にPCR検査をしても、陽性には出にくいことがわかってきています。その後、症状が出てから、6日間ほどの間、人に移す時期が続きます(図1「気道からのウイルス分離」の赤線のグラフ)。また、図1のWeek2の赤破線(戻り入院)が示す意味は、発症から症状がなく、10日が過ぎた人は、PCRが陽性であっても、人に移すことはないという事実です。
なお、10匹、10万匹の表現はたとえ話で、実際のウイルス量や、検査の感度とは異なります。
とてもわかりにくい説明かもしれませんが、
1. 症状がなくてPCR検査が陰性の人が、ウイルスを広げる可能性が数日間、存在するという事実がある
2. PCR検査が陽性でも、症状がない期間が10日間過ぎれば、人に感染させることはない(この10日後に検査をすると、PCR陽性になることもあるが、感染はさせない)
3. PCR検査の結果の解釈は、体内のウイルスの量と検査を行う時期に左右される
ということです。
当院が10月21日より行ってきているクラスター対策として、上記1.2.3.のこのウイルスの特性を踏まえた上で、集団感染を起こした6階病棟の患者様と、同じ時期の集団作業療法に参加していた他の病棟の、感染の可能性のある患者様すべて(67名)を対象として、一か所の封鎖された病棟内に隔離を行いました。それから可能な限り適切な時期に、PCR検査を繰り返し、①症状があり、検査が陽性の治療を要する ②症状がなく、PCR検査陰性の濃厚接触者 ③症状がなく、PCR検査陰性の接触者 に分け、それぞれに別々の区域に集団隔離し、毎日詳細な健康観察を行い、呼吸器内科専門医のいる感染症指定医療機関への転院治療を含め、全ての対象患者様(67名)の体からウイルスが0になるまで、隔離治療を行ってきました。
つまり報道の表現により、当初より感染者が毎日増えてきているような印象を受けますが、67名の対象者の内、今日現在で36名の治療完了者(19名の治癒退院者、および17名の観察期間終了者)、22名の健康観察中者、5名の感染症指定医療機関入院加療中の方、4名の死亡者(うち2名の直接死因は新型コロナウイルス感染症ではありませんが、第三十六報で説明したように、検査陽性であれば、直接死因に関係なく、行政機関の公表の新型コロナウイルス感染症死亡数に計上する通達が、厚生労働省より出ているため)という内訳になります。
当院として、地域の方をはじめ、関係者の方々にお伝えしたいのは、長期の時間を要しておりますが、当初の67名の対象疑感染者から36名が治癒し、残っている疑対象者は22名に確実に減少しております。ゆえに、新規感染者が毎日のように増えているように聞こえる報道に関しては、過剰に心配することはありません。本日も収束のための新たなゾーニングを行うために、22名全員のスクリーニング検査をしております。数名の陽性者が新たに出てくると予想されますが、必要な対策を続ける過程です。この残りの22名が0名になった時点が、クラスターの収束となります。
当院では、患者様の陽性を認めた場合、なるべく早く専門的な治療を受けることができる感染症指定医療機関に、重症度に応じて転院させています。ご高齢の方、基礎疾患のある方が新型コロナウイルスに感染した場合、やはり重症化することが多く、亡くなられた全員が80代のご高齢の方で、転院先の感染症指定医療機関で専門的な医療を受けられましたが、残念ながら感染症指定医療機関で亡くなられました。当院で入院中に亡くなられた方は一人もおらず、亡くなられた全てのご遺族から当院職員への感謝の言葉をいただきました。
非常に残念な結果に終わったにも関わらず、ご遺族の方々からの心のこもったお気持ちに勇気をいただき、職員一同、長い期間はかかりますが、収束に向けて最後まで尽力して参ります。
令和2年12月1日(火)午後5時30分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第四十五報)
令和2年11月30日(月)午後4時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より40日目を迎えました。
6階病棟B区域 Day 14
6階病棟C区域 Day 02
6階集団隔離病棟(41名)における本日の状況です。C区域(24名)において昨日陽性を確認した患者様1名が本日、感染症指定医療機関に転院されました。また、C区域で昨日陽性を認めた患者様と同室だった方1名に37.3度の発熱を認め、本日PCR検査を提出いたしました。現時点ではまだ結果の報告は受けておりません。この方は個室にて健康観察を行っております。これ以外のC区域の患者様に症状は認めません。
6階集団隔離病棟B区域(17名)は、本日をもってDay 14を迎え、明日から集団隔離解除となり、行政措置が終了します。しかし、本来は濃厚接触者も含まれており、疫学的根拠においては、症状を認めない期間の14日を経過し、他者へ感染させる可能性は全くない集団ですが、現場の看護者の心情や経験的な臨床医学的としては、段階的に解除する方針で健康観察を継続していきます。なお当初のゾーニングにおいて、A区域として使っていた601~603号室の4部屋の患者様を移動し(1名は7階病棟)、空床にし今後、有症状、PCR陽性者が出た場合に、利用していきます。
6階集団隔離病棟以外の本日の状況ですが、病院内の全患者様、職員に有症状者は認めませんでした。
感染症指定医療機関入院中の3名の患者様の本日の状態は、無症状が0名、軽症が1名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が1名、中等症Ⅱが 0名、重症が1名との報告を受けております。また本日は、感染症指定医療機関から2名の患者様が元気に当院へ帰ってこられました。治療にあたってくださった医療機関の皆様には、心よりお礼申し上げます。
令和2年11月30日(月)午後5時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第四十四報)
令和2年11月29日(日)午後5時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より39日目を迎えました。
6階集団隔離病棟(41名)における本日の状況です。
C区域(24名)において昨日より発熱を認め、PCR検査を提出していた患者様1名の結果が本日、陽性であることがわかりました。
第四十一報でご説明したように、当院では今回、院内集団感染(クラスター)の収束の手段として、感染を起こした病棟を隔離(封鎖)し、すべての患者様にPCR検査を行い、3つの区域、すなわち①A区域(感染者、PCR陽性)、②B区域(濃厚接触者、PCR陰性)、③C区域(接触者、PCR陰性)に分け(ゾーニング)、基本的に①は感染症指定医療機関に搬送し、②、③は毎日健康観察を行い、症状がない期間が連続で14日間続いた場合のみを集団感染の終了とし、隔離を解除し、全区域を消毒の上、通常の病棟業務に戻り、これをもってクラスターの収束とする手段を行っています。
本日、C区域において新しい1名の有症状PCR陽性者を確認したということ。また、この患者様と同室者3名について、昨日よりそれぞれ個室対応しておりましたが、一昨日までC区域内は、すべての患者様の行動を自由にしていたため、C区域の患者様すべてが濃厚接触者あるいは接触者の可能性を考え、慎重を期すため、明日でDay 14(集団隔離の期間を終了する日)を迎えるはずでしたが、今回の新しい陽性患者様の個室対応を始めた昨日をもって、C区域全体をDay 0 に再設定する方針としました。つまり、12月12日をDay 14とし、それまでの期間、C区域のすべての患者様に対し健康観察を継続し、有症状の際は積極的にPCR検査を行っていく方針とします。
なお、B区域(17名)においては、本日までにDay 0(11月16日)より有症状者を認めず、またC区域とは完全に隔離されているため、明日まで変わりがなければ、Day 14をそのまま迎え、隔離解除になる予定です。
6階集団隔離病棟以外の本日の状況ですが、3階病棟の患者様1名に38.4度の発熱があり、個室へ移動していただき、PCR検査を提出致しました。現時点では結果の報告は受けておりません。それ以外の病院内の全患者様、職員に有症状者は認めませんでした。
感染症指定医療機関入院中の5名の患者様の本日の状態は、無症状が1名、軽症が3名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が0名、中等症Ⅱが 0名、重症が1名との報告を受けております。
本日は、あと1日で今回の院内集団感染(クラスター)の収束宣言という日でしたが、C区域において新たな陽性者を確認し、この区域の24名の患者様に関しては、隔離処遇の継続をすることに致しました。症状のない患者様にとって、行動範囲が制限されることは、大変な苦痛だと考えております。これに対する対策も職員一同で知恵を出し合って、考えていかなければなりません。同時に6階病棟の職員にとっても、大きなストレスであり、人的な増員や変更、労働時間や環境の見直しも必要となって参ります。
私たちは、ものごとの「終わり」の期限が決まっていれば、多少無理をしても頑張れますが、この新型コロナウイルス感染症による院内感染は、この「終わり」が見えなくなることが多く、容易ではないことを再認識させられました。しかし、どんなに手間がかかっても、一つひとつを慎重かつ丁寧に対処することが、感染を限られた区域にとどめ、それを少しずつでも縮小し、地域に影響を及ぼさず、確実な「終わり」につなげることを最大の目的としていきます。
令和2年11月29日(日)午後5時30分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第四十三報)
令和2年11月28日(土)午後6時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より38日目を迎えました。
6階集団隔離病棟において本日は、患者様1名に午前中、37.0度の微熱を認めたため、個室へ移動していただき経過観察を行って参りましたが、午後になり37.5度へ上昇、鼻声と血中酸素飽和度の低下傾向も認められたため、PCR検査を提出致しました。結果の判明は、明日になる予定です。また、同室であった患者様3名につきましては、部屋から出ておらず、食事も部屋でとられています。
その他の6階病棟の患者様、職員に発熱、呼吸器症状等の有症状者は認めませんでした。
6階集団隔離病棟以外の本日の状況ですが、昨日PCR検査を提出していた7階病棟の患者様1名は、陰性の報告を受けました。また5階患者様1名に昨日38.7度の発熱、1名に咽頭痛、7階患者様1名に鼻閉を認め、この3名につきましては、本日午前中にPCR検査を提出致したところ、午後4時45分にすべて陰性の報告を受けました。
その他に7階職員1名に昨夜、咳の症状があり、現在、症状は消失しておりますが、本日は出勤せず自宅にて経過を観察しております。
それ以外の病院内の全患者様、職員に有症状者は認めませんでした。
本日は、感染症指定医療機関に入院していた患者様2名が、治癒(寛解)され当院へ元気に戻ってこられました。なお現在、入院加療中の5名の患者様の本日の状態は、無症状が1名、軽症が2名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が1名、中等症Ⅱが 0名、重症が1名との報告を受けております。
11月27日(金)から、熊本県による人権に関する啓発コマーシャルがテレビとラジオで放送され始めました。新型コロナウイルス感染症に関する、正しい知識や情報に基づいた「おもいやり」のある行動をするよう、県民に呼びかけていただいております。
今回、当事者の立場になって初めて、気づかされたことがたくさんあります。私は、熊本県で初めて新型コロナウイルス感染症の院内集団感染を起こした病院の責任者として、発生直後から毎日、このホームページの文章を書いています。目的はなるべく早く、正確な情報を、関係する方々に伝えるためです。ただし全ての内容を書けるわけではありませんので、言葉を選び、悩み、慎重に書くように努めています。情報を発信することの難しさを、改めて感じております。
そのような中、当院の患者様やそのご家族、私自身も含めた職員やその家族は、熊本の民放の放送局のニュースで毎日放映される、新型コロナウイルス感染症に関する報道を観て、大変心を痛めています。それは、一部ではありますが、文章や発言の中の部分的な切り取り、報道内容と異なるタイミングの映像のはめ込み方、日本語が曖昧であるがゆえの誤解を招くような表現等が見受けられ、報道の目的と価値観に違和感を感じているからです。しかし熊本県が作られた、「思いやりを持って正しい情報を」というコマーシャルを流しているのも、それらの報道機関です。
公共の電波で情報を発信する報道機関は、絶大な影響力を持っています。その報道機関において責任のある立場の方たちも、事実と報道の内容を十分検証し、正しい知識をもとに、誤解を生まないような言葉と映像の使い方をご検討していただければと切に願っております。
もし可能であれば、同じ事実を報道するにしても、その報道が、感染拡大防止や当事者を不必要な特別扱いから守るような方法はないものでしょうか。
現時点の感染の状況を考えると、感染防止に努力しても、完全に防ぐことはできずに、当院と同じように新たにクラスターを起こす可能性は、いかなる集団においてもあり得ます。その時に、本来のクラスター収束以外のことに心や時間を奪われることのないよう、何卒ご配慮いただきますように、クラスターを起こし、現在、実体験中の組織の責任者として、心よりお願い申し上げます。
昨日は阿蘇郡市薬剤師会より、現場でがんばっている職員に対して差し入れをいただきました。またこの数日、患者様の退院が続いておりますが、その際にも励ましの言葉や差し入れ、感染症指定医療機関の院長先生はじめ職員の皆様からお見送りしていただくなど、たくさんの温かいお気持ちをいただいております。皆様方のご支援を受けながら、気を緩めることなく収束へ向けて尽力して参ります。
令和2年11月28日(土)午後6時30分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第四十二報)
令和2年11月27日(金)午後5時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より37日目を迎えました。
6階集団隔離病棟において本日は、患者様、職員とも、発熱、呼吸器症状等を認めず、PCR検査の施行もありませんでした。
その他の6階病棟の患者様、職員に発熱、呼吸器症状等の有症状者はありませんでした。
6階集団隔離病棟以外の本日の状況ですが、昨日PCR検査を提出していた3階病棟の患者様1名は、陰性の報告を受けました。また、7階病棟の患者様1名に昨日の午後、38.3度の発熱を認め、本日午前中にPCR検査を提出しておりますが、現時点では、結果の報告を受けておりません。
その他、病院内の全患者様、職員に有症状者は認めませんでした。
本日は、感染症指定医療機関に入院していた患者様2名が、治癒(寛解)され当院へ戻ってこられました。入院加療中の7名の患者様の本日の状態は、無症状が3名、軽症が2名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が1名、中等症Ⅱが 0名、重症が1名との報告を受けております。午前中にご報告申し上げた通り、1名の患者様がご逝去されました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。治療にあたっていただいた感染症指定医療機関の皆様方には、心より感謝申し上げます。
令和2年11月27日(金)午後5時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
ご報告
令和2年10月21日、阿蘇やまなみ病院における新型コロナウイルス集団感染発生後、11月2日のPCR検査にて陽性を認め、同日より感染症指定医療機関にて、昼夜を問わず高度な専門の治療を受けられていた患者様が、非常に残念ながら、昨夜お亡くなりになられたとの報告を受けました。ご逝去された患者様には職員一同、心よりご冥福をお祈りし、ご遺族の方々には謹んでお悔やみ申し上げます。
令和2年11月27日(金)午前8時40分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第四十一報)
令和2年11月26日(木)午後4時40分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より36日目を迎えました。
6階集団隔離病棟において本日は、患者様、職員とも、発熱、呼吸器症状等を認めず、PCR検査の施行もありませんでした。
その他の6階病棟の患者様、職員に発熱、呼吸器症状等の有症状者はありませんでした。
6階集団隔離病棟以外の本日の状況ですが、昨日PCR検査を提出していた4階病棟の職員1名の結果は、陰性でした。
また、3階病棟の患者様1名に37.2度の発熱を認め午後、PCR検査を提出致しました。結果は明日、報告を受ける予定です。その他、病院内の全患者様、職員に有症状者は認めませんでした。
また本日は、感染症指定医療機関に入院していた患者様3名が、治癒(寛解)され当院へ戻ってこられました。元気なご様子に職員もほっと致しました。現在、入院加療中の10名の患者様の本日の状態は、無症状が4名、軽症が3名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が 1名、中等症Ⅱが 0名、重症が2名との報告を受けております。患者様の受け入れ、治療にあたっていただいている感染症指定医療機関の皆様方には、心より感謝申し上げます。
毎日、この報告において、一番最初に6階集団隔離病棟のことを報告していますが、その主旨を下記に説明致します。
当院におけるクラスター発生直後から、病院及び併設する老人保健施設の入院、入所の全患者様、全職員について本日までに、のべ764件のPCR検査(スクリーニング検査も含む)を施行しました。
最終的にPCR陽性者と、濃厚接触者(PCR陰性)、接触者(PCR陰性)を6階集団隔離病棟に、コホーティング(集団隔離)とし、看護職員は完全な感染防止の防護服着用で14日間の健康観察を行います。その間、新しい陽性者が出た場合かつ、新しい濃厚接触者が出た場合、病棟内のゾーニング(個々の隔離)を再編し、健康観察の14日間を再設定するという方法でクラスター対策を行ってきました。
新規ゾーニングが再度完成した日をDay 0に再設定し、Day 14までの実質15日間の健康観察を続けます。
前述のように本日も有症状者を認めず、6階集団隔離病棟は、本日Day 10を無事に迎えております。このまま11月30日のDay 14まで有症状者を認めない場合、12月1日よりコホーティング終了とし、行政措置が終わります。(一次収束宣言)
その後に関しては、6階隔離病棟の清掃・消毒後、他の病棟と同様に通常の病棟管理となります。しかし、このDay 0からDay 14の措置は、あくまでも疫学(統計を根拠とする公衆衛生学的根拠)的考え方で、これまでクラスター発生以来、1カ月以上、看護業務中も私生活においても、精神的に緊張を保ってきた現場職員にとって、科学的知識としては理解できても、集団隔離解除後も患者様の発熱や呼吸器症状等に対しては、強い不安(新型コロナウイルス感染の再燃等)を抱くと考えられます。よって解除してからの一定の期間、患者様、職員については、有症状の場合、自院で積極的に検査(核酸増幅検査:LAMP法)を行っていきます。また、今回の貴重な経験を通して得た感染症対策は、職員一同、継続して参ります。
令和2年11月26日(木)午後5時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第四十報)
令和2年11月25日(水)午後4時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より35日目を迎えました。
6階集団隔離病棟において本日は、患者様、職員とも、発熱、呼吸器症状等を認めず、PCR検査の施行もありませんでした。
その他の6階病棟の患者様、職員に発熱、呼吸器症状等の有症状者はありません。
また本日は4階病棟の職員1名が出勤前に咽頭痛を認め、PCR検査を施行し、自宅待機としております。結果は明日、報告を受ける予定です。
その他の病棟含めた病院内の全患者様、職員にも有症状者は認めませんでした。
感染症指定医療機関入院加療中の13名の患者様の本日の状態ですが、無症状が4名、軽症が5名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が2名、中等症Ⅱが 0名、重症が2名の報告を受けております。毎日、入院中の患者様の症状の報告がありますが、重症度が少しでも改善すると、長期間がんばっている現場の職員も元気が出ます。患者様の一日も早いご回復を祈ります。また、昼夜を問わず御加療、看護にあたっていただいている感染症指定医療機関の皆様に心より感謝申し上げます。
本日で最初の陽性者発生より5週間がたち、この報告も第四十報となりました。
患者様やご家族、地域の方々に対し、なるべく早く、正確な情報を伝えることを目的に始めました。回を重ねるうちに、職員の情報共有のためにも、役に立つことに気づきました。
今後も収束に至るまで、迅速で正確な情報を発信するように努めて参ります。
令和2年11月25日(水)午後5時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウイルス陽性者確認について
新型コロナウィルス陽性者確認について(第三十九報)
令和2年11月24日(火)午後4時30分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より34日目を迎えました。
6階集団隔離病棟において本日は、B区域で鼻閉、鼻水等の症状を認めた患者様1名、C区域で嗄声(声がかれた状態)を認めた患者様1名の計2名の、発熱等はない軽度の症状の方のPCR検査を施行しております。この2名の患者様はそれぞれ個室で健康観察を行っております。また6階病棟の職員1名が出勤前に寒気を訴え、PCR検査を提出し、自宅待機としておりましたが、午後5時10分、この職員1名を含め、上記2名の患者様、計3名の陰性の報告を受けました。
その他の6階病棟の患者様、職員に発熱、呼吸器症状等の有症状者はありません。
また、その他の病棟含めた病院内の全患者様、職員にも有症状者は認めませんでした。
感染症指定医療機関入院加療中の13名の患者様の本日の状態ですが、無症状が6名、軽症が2名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が3名、中等症Ⅱが 0名、重症が2名の報告を受けております。
本日は遠く北海道より、自院でのクラスターの経験があられる病院の理事長先生より、その経緯、対応、課題等、詳細な資料を添えてご助言のお手紙をいただきました。また、以前当院で勤務されていた先生が、ご家族と一緒に現場で働く職員に差し入れを持参していただきました。加えて、直接当院とご縁がない地域外の方からの励ましのお手紙もいただきました。地域の保健所をはじめとする公助だけではなく、多くの共助をいただきながら5週目を迎えようとしています。
令和2年11月24日(火)午後5時20分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第三十八報)
令和2年11月23日(月)午後4時20分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より33日目を迎えました。
本日は、6階集団隔離病棟C区域で嗄声(声がかれた状態)を認めた患者様1名、37.0℃を認めた患者様1名の計2名のPCR検査を提出致しました。それぞれ個室(616号、617号室)に移動していただき、健康状態を観察しております。これまで2名とも発熱も36℃台で、他の症状を認めず、午後4時10分、両名とも陰性の報告を受けました。その他に新たに午後になり、C区域の4床室の1名が鼻閉の症状が出現し、その他の発熱や呼吸器症状等認めず、ご本人のみ個室に移動していただき健康状態を観察することにしました。残りの同室者3名については、部屋で食事を取っていただく対応にしました。その他の6階病棟の患者様、職員に発熱、呼吸器症状等の有症状者はありません。
また、その他の病棟含めた病院内の全患者様、職員にも有症状者は認めませんでした。
感染症指定医療機関入院加療中の13名の患者様の本日の状態ですが、無症状が3名、軽症が5名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が3名、中等症Ⅱが 0名、重症が2名の報告を受けております。新型コロナウイルス感染症重症度分類の表を下に添付します。なお、重症に関しては、表の記載項目に加え、高齢や合併する基礎疾患の状態も含めて、医師が判断することもあります。
現在、県内だけではなく、わが国全体として、第1波、第2波の時と異なり、家庭内を含めた多方面での感染拡大があり、特に高齢者および慢性の心疾患や呼吸器疾患、糖尿病、悪性腫瘍治療中、副腎皮質ホルモンをはじめとする長期の薬物療法等の方(ハイリスクの方)については、感染が成立すると急速に重症化し、生命に関わることが明らかです。特に医療施設や介護施設においては、無症候感染(症状はないが、感染が成立している)の職員を介して、感染が拡大する可能性もあります。ハイリスクの患者様や利用者の部屋割り等も、前もって出来うる限り対応しておくことが重要であると思います。また他のウイルス感染症と異なり、14日間という長い潜伏期(感染が成立しているが、症状が出ていない期間)と、症状が出る2日前からの潜伏期に他者に感染させる特徴があるため、このことも十分に配慮した接触者の選択と早期の隔離および検査を積極的に行っていく必要があると考えます。
本日も勤労感謝の日という祝日であるにも関わらず、保健所職員、検査機関の職員、感染症指定医療機関の皆様、そして当院の職員と全国の医療機関従事者の、長時間におよぶ勤労に感謝申し上げます。
令和2年11月23日(月)午後4時30分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第三十七報)
令和2年11月22日(日)午後3時20分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より32日目を迎えました。
まず、6階集団隔離病棟で11月30日(月):Day 14まで健康観察を行っておりますが、本日現在まで、全患者様、職員に発熱、呼吸器症状等の有症状者はありません。
また、その他の病棟含めた病院内の全患者様、職員にも有症状者は認めませんでした。
感染症指定医療機関入院加療中の13名の患者様の本日の状態ですが、無症状が3名、軽症4名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が4名、重症が2名の報告を受けております。
これからも気を抜くことなく、患者様の健康観察及び職員自身の感染防止対策を継続し、職員一同、収束に向けて、感染拡大防止に努めて参ります。
阿蘇保健所職員、感染症指定医療機関の方々におかれましては、連休中にも関わらず、ご尽力いただき感謝致しております。
令和2年11月22日(日)午後3時30分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第三十六報)
令和2年11月21日(土)午後4時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より31日目を迎えました。
本日は6階集団隔離病棟に発熱、呼吸器症状等の有症状者はなく、PCR検査の提出もありませんでした。
一方、3階病棟に2名の発熱者を認めPCR検査を提出しましたが、どちらも陰性の報告を受けております。その他に全患者様、全職員に有症状者はおりません。
感染症指定医療機関入院加療中の14名の患者様の本日の状態ですが、無症状が6名、軽症2名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が3名、重症が2名です。なお午前中のご報告で申し上げた通り、昨日軽症であった1名の患者様が急逝されました。
今回の当院のクラスターに関連して、本日までに3名の方が亡くなられております。第三十報でご報告した通り、我々臨床の医療にとって、一番大切なことは患者様の生命を守ることです。それでも残念ながら亡くなられた患者様に対しては、ご遺族の心情も十分配慮し、感染症関連の法律や積極的疫学調査等の制度とは区別して、正確な事実に基づく説明が必要だと思っています。
現在、わが国においては、下に提示しますが、厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部による令和2年6月18日付の事務連絡において、「速やかに死亡者数を把握する観点から、感染症法に基づく報告による新型コロナウイルス感染症の陽性者であって、亡くなった方を集計して公表する取扱いとしています。」「新型コロナウイルス感染症患者が死亡した時については、厳密な死因を問いません。」と記されてあります。つまりこの「新型コロナウイルス感染症の陽性者」は、発熱や呼吸症状等の有無は問わず、無症候の方も含め、PCR検査が陽性であれば、例えば他の疾患が直接の死因であっても、新型コロナ感染症死亡者数として公表するということに解釈できます。
この集計の取り方はわが国だけではなく、米国の疾病対策センター(CDC)の指導でも、新型コロナウイルス感染症の疑いも、すべて死亡診断書の死因を新型コロナウイルス感染症と書くことを推奨しています。またCDCの発表では、新型コロナウイルス感染症が唯一の死因であった死者は全体の6%で、他は循環器疾患、呼吸器疾患、糖尿病等の平均2~3の基礎疾患が存在したと報告されています。
日本においては、行政機関の公表や、それを基にする報道等においては、直接の死因が存在したとしても公表されることはなく、第三十二報で説明した①~④のPCR陽性者が亡くなられたときは、すべてが新型コロナウイルス感染症死亡者数として公表されることを、現時点では一般の方々も共有していただきたいと思います。つまり現状では、新型コロナウイルス感染症の死亡率は、他の疾患、例えばインフルエンザ感染症等の死亡率と同等に比較が困難なことになると思います。急激な血管障害や過剰な免疫反応などを突然起こすことも報告されており、不明な点も多い新型のウイルスであるために、より慎重に意識され、感染拡大防止には、ある程度効果があるのかもしれませんが、将来的には積極的疫学調査においても、死因に関しては議論が必要だと感じます。
今後も現在の拡大を考慮すると、全国的に高齢の方、合併症をお持ちの患者様においては、残念ですが亡くなられる方が出てくると思います。我々臨床家は、ウイルスに感染したことが、感染症発症の有無を問わず、合併していた基礎疾患を増悪させたきっかけになった可能性も否定できないことも含めて、最新の科学的事実に基づく正確な経過と、残念な結果になった原因をご遺族には伝えて参ります。
改めて、本日亡くなられた1名の患者様においては、ご冥福をお祈りし、ご遺族様におかれましては謹んでお悔やみ申し上げます。
令和2年11月21日(土)午後5時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
ご報告
令和2年10月21日、阿蘇やまなみ病院院内発生の新型コロナウイルス集団感染症による、6階集団隔離病棟の全患者様に対するPCR検査(スクリーニング検査)にて陽性を認めた患者様が、11月19日に感染症指定医療機関に転院されましたが、本日、お亡くなりになりました。なお直接死因は、他疾患名との報告を受けております。ご逝去された患者様には職員一同、こころよりご冥福をお祈りし、ご遺族の方々には謹んでお悔やみ申し上げます。
令和2年11月21日(土)午前11時50分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第三十五報)
令和2年11月20日(金)午後5時20分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より30日目を迎えました。
11月18日(水)の定例記者会見にて熊本県知事が発言されたとおり、阿蘇保健所圏域における新型コロナウイルス感染症は、「病院の限られた区域内」で制御されており、「地域への影響は限定的であります」。「この限られた区域内」は、当院における6階集団隔離病棟のことであり、本日時点では感染症指定医療機関の絶大なるご協力により、無症状の方も含め、PCR陽性者は6階病棟には一人もおりません。よって昨日より、A区域(感染危険区域かつPCR検査陽性者)をなくし、B区域(Aの濃厚接触者かつPCR検査陰性者)とC区域(接触者、PCR検査陰性者)のみとし、これらの区域の患者様の健康観察を11月30日(Day14)まで継続予定です。
本日、B区域およびC区域において、発熱その他の症状がある方は認めません。
B区域において、症状を認めPCR検査を新たに行った場合、当該患者様は、B区域の602A号室、603号室のいずれかでPCR検査の結果が出るまで、個室処遇とします。同様にC区域において有症状者に対しPCR検査を施行した場合も、616号室、617号室で対応するため、これらの4室は空室にしております。(下図参照)
なお「病院の限られた区域:6階集団隔離病棟」以外の1階(外来部門)、2階(法人本部、医局、厨房)、3階、4階、5階、7階の各病棟、8階(作業療法室、他)は、基本的に感染安全区域でありますが、クラスター収束宣言までは患者様、全職員の健康観察を継続して参ります。本日時点では、患者様、職員に有症状者はなく、PCR提出者はありませんでした。なお、昨日午後にPCR検査を提出した4階職員1名の陰性を確認しております。
今後の診療体制ですが、陰圧室での対面外来と、電話診療、送薬等は行っておりますが、通常外来の再開については、必要に応じて段階的に行って参ります。また新規入院患者様に対しては、今回のクラスター発生の経緯をふまえ、11月19日、PCR検査器(核酸増幅検査装置LAMP法:Loop-mediated Isothermal Amplification:ループ介在等温増幅法)を導入、設置し、臨床検査技師だけではなく、医師も検査ができるように体制を整えております。(写真①)
これにより行政検査以外でも自院で検査が可能となり、新規入院患者様の陰性確認後、病棟へ入院していただくことができます。また、今回のクラスター発生は病院の職員に取っても多くの意味で精神的負担が大きく、収束以降も入院患者様の発熱や呼吸器症状に対して、新型コロナウイルス感染症を過剰に意識することと思います。この際も自院でPCR検査を即時施行することはポストクラスターの重要な事項だと思います。併設の老人保健施設 阿蘇グリーンヒルにおいても新規の入所や短期入所の方々に導入することにより、より利用者・ご家族・職員が安心していただけると思います。
感染症指定医療機関入院加療中の12名(本日転院の2名を除く)の患者様のうち、1名の方が治癒されて本日、当院へ戻ってこられました。その他の方については、無症状が1名、軽症5名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が3名、重症が2名です。御加療、看護にあたっていただいている感染症指定医療機関の皆様には感謝申し上げます。
本日はDMATの徳島県立中央病院 三村誠二先生が当院へお越しになりました。熊本地震や先日の人吉の豪雨災害でも熊本にお越しいただき、心から感謝申し上げます。先生が対策本部で水木しげるのアマビエの模写を作られて、対策本部の壁に貼っていただきましたが、職員からのたっての希望で、全病棟に配布することになりました。また、クラスター発生時から10月23日(金)より1カ月にわたる間、院内に常駐していただいた厚生労働省新型コロナ対策地方支援班の池田初男先生が本日で常駐任務を終了し、今後は遠隔支援体制となります。毎日の対策会議、ゾーニングや防護服の着脱をはじめとする感染拡大防止対策から、職員の心理的なケアまで幅広いご支援をいただきました。今回の経験は、精神科単科病棟の職員にとっては、今後の感染症対策に対する多くの知識と技能を実践で習得することができ、当院における医療の質の多大なる向上になりました。職員一同、心から感謝致しております。(写真②)
また昨日の報道資料の変更に続き、本日は熊本県ホームページの「新型コロナウイルス感染症の県内の感染者発生状況」のページの冒頭に大きな文字で、「※県民の皆さまにおかれましては、感染された方、ご家族、職場の方、その他関係者の方々に対し、不確かな情報に基づいた、不当な扱いや、いやがらせ、SNS等での誹謗・中傷等をしないようお願いします。また、新型コロナウイルス感染症について、正しい知識や情報に基づいた判断、行動をお願いします。」との文章を加えていただき、当事者、現場に寄り添った熊本県行政であることに感謝致します。
弓削病院の池田英世理事長からの励ましのお手紙と現場の職員への多くの差し入れを、弓削病院院長、熊本県精神科協会会長の相澤明憲先生と長嶺幸弘看護部長にご持参していただきました。(写真③)その他にも多くの皆様方よりご支援いただいております。職員一同、心から感謝申し上げます。
令和2年11月20日(金)午後6時20分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
写真①
写真②
写真③
新型コロナウィルス陽性者確認について(第三十四報)
令和2年11月19日(木)午後4時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より29日目を迎えました。
院内集団感染収束に向けての方針(令和2年11月17日決定分)
方針1.
1階(外来部門)、2階(法人本部、医局、厨房)、3階、4階、5階、7階の各病棟、8階(作業療法室、他)に関しては、感染安全区域とする。ただし、3~7階病棟の患者様については、発熱等の症状があれば、積極的にPCR検査を施行する。なお、全ての職員に対しても、毎日、健康状態の観察を継続する。
方針2.
6階集団隔離病棟においては、11月15日のスクリーニング検査の結果とその検証により、病棟内をA(感染危険区域かつPCR検査陽性者)、B(Aの濃厚接触者かつPCR検査陰性者)、C(接触者、PCR検査陰性者)の区域に分け、薬剤・リネン・廃棄物をそれぞれ区分け対応、各区域の担当職員を専従とする。そのうえで、A区域に関しては、症状に応じて感染症指定医療機関への搬送を行う。B区域については詳細な健康観察を行い、感染症の成立があれば早期に発見するように努める。C区域については、全員の健康観察を継続する。
方針1.に関する本日の状況(令和2年11月19日 午後4時現在)
午前に咽頭痛のある作業療法士1名、午後に吐気、頻脈のある4階職員1名、計2名のPCR検査を提出いたしました。午前中に提出した1名に関しては陰性の報告を受けております。午後の1件に関しては、明日の報告になる予定です。
方針2.に関する本日の状況(令和2年11月19日 午後4時現在)
6階病棟A区域の5名の陽性患者様のうち、2名は当院で健康観察を行う方針でしたが、うち1名に発熱を認めたため、A区域における多床室利用における症状の増悪(ウイルス量の増加)の可能性を想定し、早期に一時的に、陽性者全員を搬送する方針へと変更しました。本日3名、明日2名が感染症指定医療機関へ転院となります。B区域は特に変わりありませんが、A区域全員を転送後、消毒の上、B区域より数名の患者様をA区域に移動し、患者様同士の物理的距離を確保します。C区域では昨日より個室で健康観察をしている1名の患者様は、本日は熱もなく過ごされています。
感染症指定医療機関入院加療中の11名(本日転院の3名を除く)の患者様については、軽症5名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が3名、重症が2名です。そして午前中にご報告申し上げた通り、重症の方1名が残念ながらご逝去されたとの報告を受けております。あらためて心よりご冥福をお祈り申し上げます。
日頃より大変多大なご協力をしていただいている熊本県に対し、患者様や患者様ご家族、地域住民、職員、職員の家族の不安・その他の精神的苦痛を軽減する目的で、当事者の立場として、報道資料の内容に関し、昨日、上申致したところですが、本日午後3時公表の報道資料においては、迅速にご対応していただきました。大変ご多忙な中、一民間病院の声に耳を傾けていただき、誠にありがとうございました。
令和2年11月19日(木)午後5時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
ご報告
令和2年10月21日、阿蘇やまなみ病院院内発生の新型コロナウイルス集団感染症にて、10月22日PCR検査陽性を認めた患者様が、10月23日よりおよそ1カ月におよぶ懸命の治療を感染症指定医療機関にて行って参りましたが、本日お亡くなりになりました。ご逝去された患者様には職員一同、心よりご冥福をお祈りし、ご遺族の方々には謹んでお悔やみ申し上げます。
令和2年11月19日(木)午前9時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長・院長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第三十三報)
令和2年11月18日(水)午後4時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より28日目を迎えました。
院内集団感染収束に向けての方針(令和2年11月17日決定分)
方針1.
1階(外来部門)、2階(法人本部、医局、厨房)、3階、4階、5階、7階の各病棟、8階(作業療法室、他)に関しては、感染安全区域とする。ただし、3~7階病棟の患者様については、発熱等の症状があれば、積極的にPCR検査を施行する。なお、全ての職員に対しても、毎日、健康状態の観察を継続する。
方針2.
6階集団隔離病棟においては、11月15日のスクリーニング検査の結果とその検証により、病棟内をA(感染危険区域かつPCR検査陽性者)、B(Aの濃厚接触者かつPCR検査陰性者)、C(接触者、PCR検査陰性者)の区域に分け、薬剤・リネン・廃棄物をそれぞれ区分け対応、各区域の担当職員を専従とする。そのうえで、A区域に関しては、症状に応じて感染症指定医療機関への搬送を行う。B区域については詳細な健康観察を行い、感染症の成立があれば早期に発見するように努める。C区域については、全員の健康観察を継続する。
方針1.に関する本日の状況(令和2年11月18日 午後4時現在)
昨日午後に、発熱のためPCR検査を提出していた3階患者様1名については、本日、陰性の報告を受けました。その他のすべての患者様、職員の体調に変わりはありません。
方針2.に関する本日の状況(令和2年11月18日 午後4時現在)
6階病棟のA区域の患者様においては、7名の陽性患者様のうち、本日、2名の無症状の患者様が阿蘇圏域外の感染症指定医療機関へ転院となりました。また明日、1名の有症状と2名の無症状の患者様が、阿蘇圏域外の感染症指定医療機関へ転院予定です。残り2名の方は、当院において健康観察を継続して参ります。その他、B区域に変わりはありません。C区域の患者様1名に微熱の症状が認められたため、区域内で個室に移っていただいております。
また現在、感染症指定医療機関入院加療中の9名(本日転院済みの2名を除く)の患者様については、軽症3名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が3名、中等症Ⅱが1名、重症が2名です。患者様を受け入れ、御加療いただいていております感染症指定医療機関の方々には、心よりお礼申し上げます。
本日午前中、蒲島郁夫熊本県知事が定例記者会見の中で、「阿蘇の保健所管内においても、医療機関のクラスターで感染者が増加していますが、病院の限られた区域内の閉じ込めにすでに取り組んでおり、地域への影響は限定的であります」「残念ながら感染者や医療従事者の方々の中には、差別を受け、苦しんでいる方がおられます。新型コロナウイルス感染症は誰でも感染する可能性があります。自分もいつ感染してもおかしくないと考え、思いやりと支え合いの気持ちを持っていただきたいと思います。お願いします。」と発言なされました。
これまでの当院におけるホームページで院内集団感染発生後からお願して参りました、新型コロナウイルス感染症に合併する、人間であるがゆえの特有の「集団心理的視野狭窄」とでもいうべき症候群について、第三十二報でご報告とお願いを申し上げたところでした。県知事自身のことばで、県民に対して呼び掛けていただけたことに感謝するとともに、感染拡大防止及び収束に向けて、全力で取り組んで参ります。
令和2年11月18日(水)午後5時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第三十二報)
令和2年11月18日(水)午前11時30分
10月21日(水)の第1号陽性者発生より28日目を迎えました。
院内集団感染を熊本県内で一番初めに起こした病院の責任者として、この4週間の体験を通して感じた重要な課題について記します。
特に報道機関や行政機関からの情報発信において、使用する単語の定義や意味、数字とその解釈について、実際に当事者として現場で直面している現実と、テレビの報道、インターネットによる行政の報道資料を通して、地域住民や患者様、そのご家族、当院の職員、その家族が得ている、本件に関わる情報を通した印象との間に大きなへだたりを感じます。
そのことが地域住民の不安や生活障害を引き起こし、また当院職員やその家族における労働の権利や子どもたちの教育を受ける権利等、あるいは人権そのものに与える不当な扱いにつながっていることを、当事者として伝えたいと思います。
この1カ月を通して感じた、まず最優先すべきことは、
1. 人命であり、特に新型コロナ感染症においては、高齢であるというだけでなく、心疾患や慢性の呼吸器疾患、糖尿病、悪性疾患、長期の多剤による薬物療法等のある方にとっては、当初軽症であっても、数日で重篤な状態に急激に変化し、生命を失うことがあるため、特に細かな医学的健康観察と早期の専門医療機関での治療環境を常に準備しておくことが必要である。
2. 専門職に対してだけでなく、一般の人々に対しても新型コロナウイルス感染症に関する一番新しく、正しい科学的知識を積極的に広げる必要がある、と感じています。
例えば、「新型コロナウイルス感染症におけるPCR検査陽性」の意味で最低限知っておかなければいけないことは、検体が正しく取られ、検査過程に誤りがない条件のもとで「陽性」であれば、その方の体の中に新型コロナウイルスが存在していることは確かであるということです。ただし「存在」していることそのものが、その人が感染症という病気にかかっているという意味ではありません。
新型コロナウイルスの存在する「量」と「時期」により、
① 何も症状がなく人にも移す状況でない方
② 何も症状がないけれども人に移す可能性のある方
③ 症状(軽症、中等症Ⅰ、中等症Ⅱ、重症)がある方
④ 死んだ※(増殖能力や感染能力がない状態やウイルスの一部)コロナウイルスが存在している方。この④の方たちは、一度ウイルスが侵入したが、症状の発症の有無に限らず、経過の中で症状を認めない期間が10日以上たった場合、人への感染の可能性も全くなく、本人も元気ですが、この時PCR検査をすると陽性に出ることがあります。
※「死んだウイルス」という表現について、そもそもウイルスが生物とするか無生物とするかも議論があるところと認識しており、学問的ではありませんが、例えとして表現しました。
繰り返しになりますが、①~④すべての場合においてもPCRは陽性に出ます。
例えば熊本県の報道資料を見ていただいたときに、「2 クラスター関連の感染者数」として表が出ていますが、この場合、正確にはクラスター関連の「感染者数」ではなく、クラスター関連の「PCR陽性者数」です。つまり、当院における11月15日に施行した集団隔離病棟のスクリーニング検査(対象全員を検査する)の結果によるPCR陽性者には、①から④の方すべてが入っています。実際、11月17日付の県の報道資料の「2 クラスター関連の感染者数」表の「11月17日公表分」の5人のうち4人は、上記の①か②の方です。しかし報道資料をもとにした報道機関の表現の仕方は、一般の方にとっては「阿蘇やまなみ病院のクラスターは始まって一カ月たったが、合計30の感染者に日に日に増加してしまい、病院の職員やその家族と一緒にいるのも怖い」という漠然とした不安をより煽っているように思います。
実際に伝えたいのは、クラスターが始まって以来、合計でPCR陽性者29名が判明、そのうち11月17日時点で完全に治癒し、日常に戻っている方が12名、上記の①と②に当たる方が6名、③に当たる方が1名、感染症指定医療機関入院中が9名、残念ながらご逝去されたのが1名の内訳であることです。ただ漠然と30人も感染者が増えてきているという印象よりも、対象患者様と対象職員(病院と老健施設含め)合わせて588名の総数に対し、クラスター関連のPCR陽性者は累計で29人で、4.9%の陽性率であり、現在、11月18日時点で言えることは、30という数字ではなくて、指定医療機関と当院で新型コロナウイルス感染症患者として治療中の方が10名という数字になります。繰り返しになりますが、12名は元気に日常に復帰しております。これらの数字の内訳が6階で感染の恐れという大きなストレスの中で自己犠牲を払いながら、昼夜働く現場の職員には大きな動機付けとなると共に、不当な社会的差別を職員や職員の家族が受けることを防ぐ重要な要素だと思います。
新型コロナ感染症関連の報道では、以前から累計の数字が使われていますが、「累計」というのは、最初からその日までの感染者の数を足し算した合計です。収束しなければ時間とともに増えていきます。大流行当初ならわかりますが、第3波を迎えようとする時期には累計の数字ではなく、その数字の内訳が情報としてとても大切です。県の報道資料をよく見ると、枠外に小さな字で「※阿蘇やまなみ病院クラスター24人のうち13人が感染症指定医療機関での治療等を完了しています(死亡者を含む)。」と書かれています。この小さな字で書かれている文章の内容は、われわれ当事者にとってはとても大切な数字で、同時にこの字を見逃しそうな高齢の方にとっても、風評や不安を少しでも軽減するうえでもとても大切な「希望」の数字です。しかし、テレビショッピングの画面の端に「※これはあくまでも個人の感想です」や、がん保険の契約書の多量な文字の中に、やはり小さな字で「※上皮内癌は除く」と書いてあるのを思い出します。
自身の感染のリスクを抱えながら精神障害者のために6階の隔離病棟で働いている職員やその家族は、県の報道資料をもとにした夕方のテレビのローカルニュース等で6階病棟の窓をアップで映されながら、「阿蘇やまなみ病院クラスター 新たな感染者5人増え30人となる」だけ報道されているのを見て、現実現場との違いにとても残念に思っています。実際現場では院内集団感染は、職員の努力と忍耐により、時間はかかっていますが大変よく管理され、確実に一歩一歩収束に向かっていることを毎日実感しています。
ぜひ行政機関や報道機関も、週刊誌やワイドショー、スポーツ紙ではないので、当事者である患者様、ご家族、職員そしてその家族の立場を考慮したうえでの言葉や数字の選択と、それらに対する十分な説明をしていただきたく思います。
最後にどうしても記しておきたいこととして、報道資料に関して、感染症の状況としての毎日増えていく数字はもちろん必要なことと思いますが、この感染症に関して、水面下で把握できていないものも含め、大変大きな人権に関する問題が起こっております。具体的なことを書くのは差し控えますが、行政機関におかれましては、ぜひ「熊本県の新型コロナウイルス感染症の状況」の報道資料に、数字と表と小さな文字の文章だけではなく、関連した人権問題、特に職員の子どもたちが教育の場に参加し、教育を受ける権利を奪われることがないよう、小さな文字でなく、大きな文字で同じ資料に掲載し、地域住民、県民に広く繰り返し広報、啓蒙していただけたらと切に願います。
終わりに、末端の現場で働く多忙な熊本県職員、保健所職員、厚生労働省新型コロナ対策地方支援班、阿蘇市職員ほか、多くの行政機関の方々には大変なご援助を頂いており、心より感謝しております。
令和2年11月18日(水)午前11時30分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第三十一報)
令和2年11月17日(火)午後4時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より27日目を迎えました。
クラスター発生から4週目の時期を迎え、昨日よりある程度先が見える収束の方針として、
方針1.
1階(外来部門)、2階(法人本部、医局、厨房)、3階、4階、5階、7階、8階(作業療 法室、他)に関しては、感染安全区域とする。ただし、3~7階病棟の患者様については、発熱等の症状があれば、積極的にPCR検査を施行する。なお、全ての職員に対しても、毎日、健康状態の観察を継続する。
方針2.
6階集団隔離病棟においては、一昨日から昨日にかけてのスクリーニング検査の結果とその検証により、下に提示する図のごとく、病棟内をA(感染危険区域、PCR検査陽性者)、B(Aの濃厚接触者かつPCR検査陰性者)、C(接触者、PCR検査陰性者)の区域に分け、薬剤・リネン・廃棄物をそれぞれ区分け対応、各区域の担当職員を専従とする。(ただしそのために6階職員においては、担当職員のシフトを組むにあたり労務の負担は増え、違う区分間の移動の際の、感染防止対策上の負担も大きくなります)
方針1.(令和2年11月17日午後5時現在)
昨日、発熱の症状がありPCR検査を提出していた7階病棟の患者様1名は、陰性の報告を受けました。また午前中に、発熱した7階の患者様1名と咽頭痛のある3階職員1名、また午後に、発熱した3階患者様1名、計3名のPCR検査を提出し、午前中の2名の結果は陰性でした。午後提出の1名の結果の報告は、現時点ではまだ受けておりません。その他のすべての患者様、職員に変わりはありません。
方針2.(令和2年11月17日午後5時現在)
6階病棟において、B区域、C区域に有症状者は認めておりません。A区域においては、7名のPCR陽性者がいらっしゃいますが、うち1名については発熱、呼吸器症状はなく倦怠感のみ認めます。この1名については搬送先を調整中です。残りの6名については無症状であり、今後の健康観察を注意深く行い、必要時、早期の感染症指定医療機関への搬送を含む介入を行います。なお現在、県内において新たなクラスターや感染者が急増しており、感染症指定医療機関の病床を重症の方に優先的に利用していただくために、無症候のPCR陽性者に関しては、当院で可能な限りの対応を行っていきます。
今回、発生から最初の2週間、次の2週間の感染の状況を検討し、より確実な感染拡大防止を強化するために、急遽6階病棟を最低でも3区画に分けることになりました。一部の精神疾患を持つ患者様は、十分な理解が困難で、感染危険区域等への出入りによる感染の拡大の可能性があり、病棟内の動線を物理的に壁やドア等の増設で分けることが避けられなくなりました。しかし感染の可能性のある病棟内において、外部の業者からは当然ですが、請負を拒否されます。そこで当院の施設管理課の職員、作業療法士、事務職員の協力にて、下に提示する写真のように手作りで造作しました。日常と異なり、普段いっしょに仕事をしない多職種が協力して一つひとつの課題を成し遂げていくことの大切さを再認識いたしました。今回の困難を乗り越えた暁には、よりよい組織になると感じました。
また現在、感染症指定医療機関入院加療中の9名の患者様については、軽症3名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が3名、中等症Ⅱが1名、重症が2名です。昼夜を問わず御加療、看護をしていただいている医療機関の皆様に感謝申し上げるとともに、患者様のご回復を心より願っております。
令和2年11月17日(火)午後5時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第三十報)
令和2年11月16日(月)午後4時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より26日目を迎えました。
昨日、PCR検査を提出していた6階職員1名(発熱等はなく、咽頭違和感のみ)は陰性でした。また、昨日行った6階病棟全患者様に対するスクリーニング検査の結果、残り45名のうち4名は症状が全くない状態でPCR検査が陽性、1名が発熱の症状があり陽性の結果を本日の午後2時30分に受けました。
総括すると、6階の集団隔離病棟において、クラスター発生時から濃厚接触者として健康観察とその都度、PCR検査を続けてきましたが、昨日、ご報告したようにいったん収束し始めた感染拡大が、再燃する傾向を確認したため、無症候陽性者、陰性者を分け、新たなゾーニングを行い、病棟におけるウイルス量を積極的に減少させ、根絶させる方針を強化しました。
今回、5名の陽性者が追加されましたが、うち4名については現時点ではいわゆる「感染症発症者」ではなく、正確には「PCR陽性者」であり、病棟内を4区分に分け、①搬送が必要な感染者 ②無症候のPCR陽性者 ③濃厚接触者(PCR陰性) ④PCR陰性者に分け、対応して参ります。
現時点で3階、4階、5階、7階の患者様に感染者は認めず、職員においても6階の職員含めて、全職員が陰性であります。つまり今回のクラスターに関連する患者様のPCR陽性者(≠感染症発症者)は27名ですが、前述したように4名は無症候です。
当院の6階病棟内においての感染の可能性は、一般病床に比較し、精神病床においてはその疾患の特性により100%防ぐことは、より困難ですが、今回の方針で一番重要なことは、①職員への感染の防止 ②患者様の助けうる命を守る こととしています。収束に向けての対策及び方針は、感染の状況により厚生労働省感染対策地域支援班の専門家と保健所との合同会議で午前と午後、行っております。
当院におけるクラスター発生により、本日午後4時現在までに累計29名(患者様27名、職員2名)のPCR陽性者が出ておりますが、本日1名の患者様が帰院され、計12名が治癒(寛解)して感染症指定医療機関、宿泊施設を経て戻ってこられております。現在、院内の陽性者の6階患者様7名のうち、3名(無症候4名に関しては未定)に関しては、転院先調整中のために6階病棟で加療中です。その他の、感染症指定医療機関入院加療中の9名の患者様については、軽症3名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が4名、重症が2名です。
今回でホームページ上の第三十報の報告ですが、目的の一つは職員家族や地域の方に不確実な情報が広がって不必要な不安を抱くことを防ぐために、なるべく早く正確な情報をお伝えすることです。わかりにくいことも多々あるかと思いますが、どんなことでもいいので病院まで、理事長あてにご連絡ください。責任を持って説明させて頂きます。
本日も常々、診療に大きな協力をしていただいている独立行政法人国立病院機構 菊池病院、医療法人社団大徳会 大阿蘇病院より、心あたたまる支援物資とメッセージを頂きました。
また、感染症指定医療機関で手厚い治療をして頂きながらも、残念ながら亡くなられた患者様のご家族から「大変お世話になりました。看護婦さんたちも、とても大変でしょうが、がんばって下さいとお伝え下さい」というねぎらいの言葉を頂きました。本来なら、大切なご家族を亡くし、集団感染を起こした病院に対して負の感情を自然に抱かれるところだと思います。しかし、このような言葉をかけて頂き、現場で働いている職員に取って、時に日常生活でさえも、当院で働いているという理由で、家族を含め制限を受ける等の、とてもつらく不安な毎日の中で、あたたかく大きな勇気を持つことができました。
収束に向けてまだ長い時間が必要ですが、職員一同、多くの方からのあたたかい心に感謝し、一日いちにち取り組んでまいります。
令和2年11月16日(月)午後5時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第二十九報)
令和2年11月15日(日)午後6時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より25日目を迎えました。
昨日、PCR検査を提出していた3階2名、7階1名、計3名の患者様の結果は本日、午後2時15分にすべて陰性の報告を受けました。
本日の有症状者については、発熱を認めた3階2名と4階1名の患者様計3名、咽頭痛のある6階職員1名のPCR検査を提出いたしました。午後6時00分、3階2名と4階1名の患者様に関しては陰性の報告を受けました。職員1名の結果は明日になります。
6階集団隔離病棟において令和2年10月21日(水)のクラスター発生直後の8名の陽性者についで、第1週後に6名の陽性者、その後の1週間において散発性に3名の陽性者が出た後の次の1週間においては陽性者は認められず、3週間をかけて収束傾向にありました。しかし11月12日(木)に1名、14日(土)に2名の陽性者を確認しました。このため健康観察期間を再設定したうえで、6階病棟に在籍している入院患者様46名(うち2名は新規陽性者と同室、かつ咳嗽、発熱の症状、そのほかの44名は無症状)全員のPCR検査を行うこととし、本日午前中に提出いたしました。ご家族様へは明日11月16日(月)、ご連絡申し上げます。午後6時00分、症状のある2名のうち1名に関しては、陽性の報告を受けました。その他の方の結果については、県内の検査数が急増しており、17日(火)以降との報告を受けております。この他に本日の有症状者、検査等はありません。
5階病棟における濃厚接触者の隔離は、10月31日(土)をDay 0とした健康観察期間の14日間が終了し、新たな感染者を認めず、本日をもって解除となりました。
当院におけるクラスター発生により、本日午後6時現在までに24名の感染者が出ておりますが、現在11名が回復し、戻ってこられています。なお昨日陽性が判明した6階2名のうちの1名が、本日、阿蘇圏域外の感染症指定病院へ転院、残り2名に関しては転院先調整中のために6階病棟で加療中です。
その他の、感染症指定医療機関入院加療中の9名の患者様については、軽症4名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が3名、重症が2名です。そのうち11月16日(月)に2名の方が帰院される予定でしたが、うち1名が発熱のため帰院が延期となりました。
また本日午前中に、ご報告申し上げた通り、大変残念なことですが、重症であった1名の患者様のご逝去の報告を受けております。あらためて、心よりご冥福をお祈りし、ご遺族様におかれましては謹んでお悔やみ申し上げます。
令和2年11月15日(日)午後6時15分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
御報告
令和2年10月21日、阿蘇やまなみ病院院内発生の新型コロナウイルス集団感染症にて、10月29日PCR検査陽性を認め、10月30日より、感染症指定医療機関にて御加療中の患者様が、本日お亡くなりになりました。ご逝去された患者様には職員一同、衷心よりご冥福をお祈りし、ご遺族の方々には謹んでお悔やみ申し上げます。
令和2年11月15日(日)午前11時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長・院長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第二十八報)
令和2年11月14日(土)午後6時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より24日目を迎えました。
昨日、PCR検査を提出していた3階病棟の発熱の患者様1名は本日、午後3時30分に陰性の報告を受けました。
本日の有症状者については、発熱を認めた3階2名、血中酸素飽和度の低下傾向を認めた6階1名、咽頭痛と咳嗽を認めた6階1名、中心静脈栄養中で血中酸素飽和度の低下傾向を認めた7階1名、計5名の患者様のPCR検査を提出致しました。
午後5時30分、上記の6階2名の陽性の報告を受けました。6階病棟に関しましては、10月21日(水)における第1波の集団感染から約1週間、新規陽性者を認めず、落ち着いてきていましたが、一昨日の1名の陽性、本日の2名の新規陽性者の発生を考慮すると、隔離病棟内の無症候感染者等も視野に入れ、6階病棟の対応について改めて方針を決めていきます。これにより6階病棟の観察期間(Day 0)は、再設定される予定です。再び期間は伸びますが、確実に積極的な早期介入と感染拡大防止を徹底し、可能な限り感染経路を想定し、それに応じた適切な対応をして参りたいと思います。なお6階以外の病棟の残り3名に関しては明日、結果が判明する予定です。
毎年、初冬の時期、阿蘇地域は最低気温が氷点下0.7度~最高気温が20度弱となり、日中の温度差が大きく、発熱者が毎日数名認められます。熱源は呼吸器感染が多いのですが、他に尿路感染症や関節炎等の整形外科的な発熱も認められます。しかし現在クラスター対策としては、発生から3週間を過ぎ、6階感染隔離病棟以外で理論上、可能性が低くても、単発に新型コロナウイルス感染者を早期に発見し、新たな感染拡大を防ぐことが大変重要であるため、感染安全区域であっても積極的にPCR検査を施行しております。
当院におけるクラスター発生により、本日夕方の新規陽性判明の6階の2名以前に、今まで21名の感染者が出ておりましたが、現在11名が回復し戻ってこられています。11月12日(木)に陽性が判明した6階の患者様1名は、本日、阿蘇圏域外の感染症指定医療機関へ転院となりました。その他の感染症指定医療機関入院中の9名の患者様については、軽症3名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が3名、重症が3名です。そのうち11月16日(月)に2名の方が帰院される予定です。患者様を受け入れ、御加療頂いた感染症指定医療機関の皆様には心より感謝申し上げます。今後も一定の期間、感染隔離病棟よりの感染者の発生が予想されますが、なるべく早期の介入に努めます。
当院職員、特に最前線である6階集団隔離病棟の職員自身やその家族に対して、ほんの一部ではありますが、日常の生活の場面で制限を強いられることがあるという報告を受けております。例えば住居のエレベーターに一緒に乗ることを拒まれたりする些細な?ことから、子どもさんの習い事等の参加を自粛させるべきというような内容が、他の親御さんのSNSを通して拡散される、同居の家族が職場で一定期間の出勤の自粛等指示される、などです。子どもの教育を受ける権利や、労働の権利が制限されることは非常に残念です。クラスター発生以来、当院の職員も患者様や病院、地域社会のために自己犠牲を払いながら、私生活でも自主的に自粛しております。企業や塾等のそれぞれの安全管理の考え方があることは重々承知しております。収束に向けては長期が予測されますが病院としては、できる限りのご理解とご協力を切に願うことしかできません。
しかしこのような中でも、地域外からも多くの励ましのお手紙、また地域内の学校の子どもたちから励ましのことばが、たくさん届いております。昨日は阿蘇中央高校からお花を頂いた後、夕方には阿蘇市立一の宮中学校の一年生の皆様から、英語で書かれた心温まるたくさんのメッセージを頂き、全職員の目に届くように掲示させて頂きました。地域の子どもたちの字を見ると、大きな大きな力をもらうことができます。本当にありがとうございました。
令和2年11月14日(土)午後7時40分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第二十七報)
令和2年11月13日(金)午後4時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より23日目を迎えました。
本日は、3階病棟に発熱者1名がありPCR検査を提出しました。結果は明日の午後、判明する予定です。その他に6階集団隔離病棟をはじめとする全病棟の患者様、職員に有症状者はおりません。
当院でのクラスター発生により21名の感染者が出ておりますが、現在11名が回復し戻ってこられています。感染症指定医療機関入院中の9名の患者様については、軽症2名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が4名、重症が3名です。また昨日陽性が判明した患者様1名は、県の対策本部にて現在入院の調整中です。軽症の1名と中等症Ⅰ(中等症Ⅰに区分されていますが、感染の可能性もなく、当院での対応が可能な方)の1名の患者様が、当院に11月16日(月)に帰院される予定です。
今回、収束の指標である「Day0 ~ Day14」が、視覚的にわかるようにカレンダーを作成しました。現在当院が行っているクラスター対策として、まず最初に集団感染を起こした数名と、接触のあった患者様・職員をすべて検査の上、当院においては6階病棟を集団隔離病棟とし、当時6階に入院していた患者様は濃厚接触者、接触者、症状の有無を問わず、また6階の入院患者様でなくても集団作業療法等で感染可能期間に接触のあった方も含め、10月21日(水)から一定期間、隔離処遇としました。
全員の隔離と病棟全体のゾーニング(感染危険区域、防護服等の着脱をする中間区域、感染安全区域等)を行ったうえ、防護服着脱のトレーニングを受けた看護師を配置し、これらの準備を完了した日をDay0とし、Day14までの期間、患者様の健康状態を観察しています。もし例えばDay6(7日目)に発熱者が出て、PCR検査で陽性が確認できた場合、Day0が再設定されて、観察期間が延長します。最終的にこの15日間、感染者が発生しない状況が連続して続いた場合を「収束」とします。
昨日の検査で6階病棟において新しくPCR陽性患者様が認められ、昨日の11月12日(木)はDay9でしたが再設定され、新しく11月12日(木)がDay0になりました。6階病棟の職員にとっては大きな負担になりますが確実に、この感染症を終息させるために、責任を持って丁寧な感染防御策を取りながら勤務しております。
また5階病棟においては、10月31日(土)をDay0とし、一部の区間を閉鎖病棟とし、濃厚接触者と定義された患者様の健康観察を防護服着用のうえ行っております。本日までに有症状者は出ておらず、11月14日(土)にDay14を迎え、翌11月15日(日)より解除となる予定です。
基本的には6階病棟に関しては、これからも陽性の患者様が認められる可能性は続きますが、感染対策は確実に行っております。Day0が再設定されるたびに期間が延長され、時間はかかりますが、最終的には必ず収束できると考えています。なお、3階、4階、5階、7階に関してはこれまでのところ新規の感染者は認められず(ただし、10月30日(金)に陽性を確認した5階の患者様1名を除く。感染経路は10月20日ごろの作業療法にて6階患者様と接触)、感染安全区域として日常の診療を続けております。
6階の職員を含め全ての職員において、確立した感染防止対策の制度を厳しく遵守しており、かつ、全員PCR検査陰性を確認しているため、街中を歩いている一般の方々よりも感染を広げるという意味では安全です。よって当院職員の同居の家族が職場で労働を制限されたり、子どもさんが塾やボーイスカウト、スポーツチーム活動等の参加を制限されるようなことは決して起こらないように願っています。地域の方々におかれましては、少しでも不安がございましたら、いつでも病院にご連絡していただければ、丁寧にご説明をさせていただきたいと思います。
本日は阿蘇中央高校より、生徒さんが大切に育てた、美しく力強いシクラメンの花を激励のために、当院に持ってきていただきました。シクラメンの花言葉を調べてみました。「timid hope 遠慮がちな期待」「shyness 内気・はにかみ」という言葉が目に留まりました。
新型コロナ感染症の出現の意味は、公衆衛生や医療の問題だけではなく、人間そのものの大切な能力である「相手の気持ちを感じとる」ことが試されているのではないかと思います。高校生は医学的には、こころも体も自立(自律)できる完全な大人です。しかし原始時代ではない現代では、自立の中に経済的な自立を加えてしまっています。そのおかげで、高校生たちの社会的権利や発言が制限されていると感じるときがあります。このシクラメンを見ていると、はにかみながら力強く応援してくれているような気がします。6階病棟をはじめとする、職員の目に留まる場所に置かせていただきます。ありがとうございました。
令和2年11月13日(金)午後4時30分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第二十六報)
令和2年11月12日(木)午後5時30分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より22日目を迎えました。
本日の有症状者として、6階集団隔離病棟の発熱を認めた患者様1名と、患者様と直接接触のない職員1名に嘔吐と微熱を認め、PCR検査を本日午前中より施行し、午後5時30分、6階病棟の患者様の陽性、職員の陰性の報告を受けました。なお患者様に関しては、感染拡大防止対策が完全に取られている6階集団隔離病棟であり、発熱時に個室へ移動していただいており、病院内他の区域への感染拡大の可能性はありません。明日以降、転院について対応する予定です。
それ以外に、全病棟の患者様、職員に有症状者はおりません。
本日も感染症指定医療機関より患者様1名が退院され、帰院されました。
当院でのクラスター発生から20名の感染者(本日の1名の新規陽性者は当院の隔離病棟で待機中)が出られ、現在11名が回復し戻ってこられています。残り感染症指定医療機関入院中の9名の患者様の内訳は、軽症3名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が3名、中等症Ⅱが1名、重症が2名です。
ここで戻り退院の基準は「発症日から10日間経過し、かつ症状軽快後72時間経過した場合」となっており、また気道からのウイルス分離が高い期間は発症後5日までです。これらの公衆衛生学上の基準を元に感染症指定医療機関から当院に帰院されます。
ご高齢の方の中には合併する別の身体疾患を継続して持っておられる方もあり、上述の基準上、新型コロナウイルス感染症に関しては他者に移すこともなければ、自身もかかることもないことになります。しかし、患者様に症状や所見が残存(併存)していれば、新型コロナ感染症と別のものと知識では理解しても、現場の職員にとって不安は、ぬぐい切れません。
多くの行政機関をはじめ、いわゆる「公助」を受けていると同時に、「自助」として自分たちでできる感染拡大防止策として、感染隔離病棟で実践している職員より、その他の安全区域の職員に対し、防護服の取り扱いを含めた高度な知識と技能を仲間同士で共有することを進めています。このことは収束後も毎年、避けられない感染対策において医療の質を上げることに貢献できると信じています。また第二十三報で報告した、抗原検査だけでは判定できない部分を補う核酸検出検査器を導入し、公衆衛生学的根拠のみならず、臨床医学的にも職員が安心して患者様に対応できるよう、努力して参ります。
「PCR陽性時期を含めた戻り入院との関連のグラフ」「他の人に感染させるリスクの期間」「典型的な経過」「各検査の特徴と意味」の4つの資料を下に提示します。PCR検査とLAMP法は、4枚目の資料の最後の表の核酸検出検査に当たります。これらの資料は、クラスター発生当初より当院に駐在しながら、実践を通した専門家集団として継続援助頂いている、厚生労働省新型コロナ対策地方支援班(一部の方は一昨日より順次、北海道へ支援のため移動されています)より頂きました。
当院の職員やその家族にとって、今回のクラスター発生前とは異なり、所属するコミュニティーや人間関係において、少なからず簡単な解決法もない出来事が起こっております。特に職員の子どもたちが参加を制限される場合もあります。各関係機関におかれましては、ぜひ今回のこの資料をご参考されて、正確な知識を得ていただき、適切な対応をお願いできればと思います。なお、資料の内容については現時点での科学的、疫学的根拠を持った内容ですが、わかりにくい部分もあると思いますので、いつでもご連絡いただければ情報の開示および説明をしたいと思います。
令和2年11月12日(木)午後6時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第二十五報)
令和2年11月11日(水)午後4時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より21日目を迎えました。
本日、当病院には新型コロナウイルス感染者の在院は0名です。
また本日は、6階集団隔離病棟をはじめとする全患者様、全職員において体調不良者はおらず、新たなPCR検査の提出もありませんでした。なお本日、職員1名が感染症指定医療機関から退院致しました。治療にあたってくださった感染症指定医療機関の皆様には心より感謝申し上げます。
現在、感染症指定医療機関に入院・加療中の10名の患者様の内訳は、軽症3名、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が3名、中等症Ⅱが1名、重症が2名です。1名が明日、当院へ帰院し、従来の精神科療養生活へ戻られる予定です。また、おとといより骨折のため転院調整中だった4階病棟患者様においては、明日11月12日(木)に転院が決まりました。ご多忙の中受け入れてくださった医療機関におかれましては、心よりお礼申し上げます。
第一号陽性者の発生より3週間となります。11月4日(水)以降、一週間陽性者が確認されていない状態であります。楽観的には考えておりませんが、6階集団隔離病棟においてDay0は11月3日(火)となっておりますので、Day14が11月17日(火)となります。この期間に新たなPCR陽性者が出ない場合は、翌11月18日(水)から一定の期間をおいて、収束となります。外来においては現在も通常外来が中断しておりますが、電話での診察、お薬の郵送、あるいは病院駐車場における手渡し等で、必要な内服の治療が中断されないように努めております。院内の感染の状況を十分に考慮して、段階的に通常外来を行っていく予定です。
しかしながら重症者が2名いらっしゃることを現実として重く受け止めております。1名の重症者は感染症指定医療機関に転院されて本日で19日目になりますが、ご高齢であり、昼夜問わず手厚い治療が施されておりますが、重症の状態が続いております。もう1名の方は、感染症指定医療機関に転院されて9日目になり、昨日までは中等症Ⅰでしたが、本日より症状が悪化され、重症となっておられると報告を受けております。この方もご高齢であり、容態の推移を心配しております。通常の疾患と異なり、ご家族との面会も制限される中、闘病されておられることと思います。当院でのクラスター発生から20名の感染者が出られ、現在10名が回復し、元気に戻ってこられていますが、残りの重症2名を含む中等症や軽症の方の早期のご回復を心からお祈り申し上げます。重ね重ね、感染症指定医療機関の皆様の昼夜を通した御加療・看護に感謝申し上げます。
令和2年11月11日(水)午後5時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第二十四報)
令和2年11月10日(火)午後5時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より20日目を迎えました。
本日、当病院には新型コロナウイルス感染者の在院は0名です。昨日の6階集団隔離病棟の咽頭痛1名、鼻汁1名の症状のある患者様は、発熱や呼吸器症状等認めず、変わりなく過ごされています。また、そのほかの3、4、5、7階の患者様には特に異常は認めません。全職員においても体調不良者はいません。なお本日、感染症指定医療機関から治癒され、2名の患者様が元気に当院に帰って参りました。現在、感染症指定医療機関に入院・加療中の10名の患者様の内訳は、中等症Ⅰ(少量の酸素が必要)が7名、中等症Ⅱ~重症が1名、軽症2名で、職員1名が明日、退院予定です。また、昨日から骨折および微熱を認める患者様の3回目の昨日のPCR検査結果は陰性でしたが、公立病院2件、民間病院2件において受け入れ態勢が整わず、明日以降も転院先を続けて探して参ります。
これまで毎日、当院の状況を具体的な数字の表にして伝えて参りましたが、熊本県からの報道資料の数字との乖離を認めます。このような乖離は、新聞やテレビ等の報道において、患者様・ご家族や地域住民などの、特に当事者において、大きな不安の材料になると考えます。
当院においては病棟別に分けて書いておりますが、特に6階病棟と5階病棟の一部をそれぞれ感染危険区域、濃厚接触者区域と分け、また、3階病棟に指定医療機関から治癒して帰ってこられた患者様を入院する区域を設けております。PCR検査中の待機やPCR検査陽性の場合、院内感染拡大防止のために、いずれの病棟からでも適切な区域を分けた病棟への迅速な患者の移動を行っており、必ずしも表の上の病棟の属性とその時の患者数および検査数が一致しないため、本日より表を変更しました。
なお、国は「新型コロナウイルス感染症に対する積極的疫学調査実施要領」において、クラスターとは「患者集団」と定義しており、令和2年2月26日事務連絡において厚生労働省はクラスター対策班に相談する際の人数的目安として、5人と定めています。これを根拠に熊本県では、「同一場所等で概ね5人以上の関連のある感染が起こり、不特定又は多数の接触者があるなど感染拡大が懸念され、特に防止対策が必要な集団をクラスターとする。」となっています。よって当病院の職員の家族の感染に関しては、クラスター(数)に含まれないことになり、表からは外すこととしました。
なお今回、クラスターに対峙して①臨床医学上の判断 ②患者様およびそのご家族の思い ③現場職員やその家族の不安 ④積極的疫学調査上の判断および、「濃厚接触者」「接触者」「症状」「クラスター」等、疫学用語の定義の経時的変化。これら4つに「ずれ」の存在を感じ、またそれらの判断の内容と時期を誤らないようにするため、刻一刻変容する県内や国内の感染状況、社会情勢を早期に理解し、日々、新しく正しい知識を吸収し、職員一同収束に向けて努力して参ります。
令和2年11月10日(火)午後7時20分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第二十三報)
令和2年11月9日(月)午後4時30分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より19日目を迎えました。
本日も全病棟、入院患者様、職員に新型コロナウイルス感染者は認めておりません。
6階集団隔離病棟の昨日の咽頭痛を認めた患者様は、その後の発熱もなく過ごされております。本日、新たに鼻汁を認める患者様が1名おられますが、発熱、呼吸器症状、下痢等は認められず、第二十二報に記載した方針通り、PCR検査は施行せず、経過観察をしております。4階病棟において昨日、日勤帯に疼痛を訴えられ本朝よりレントゲン検査を行い、骨折を認めた患者様に37.2度の発熱がありました。この方は11月2日(月)にスクリーニングでPCR検査の陰性を確認しておりますが、整形外科専門病院への転院が必要なため、慎重を期し直近の陰性の確認を行うため、本日、PCR検査を再度提出致しました。精神科疾患を持った患者様は、一般の医療機関での受け入れは精神科疾患を持たない患者様よりも困難なことが多く、まして紹介元の病院でクラスターが起きているということで、十分な感染拡大防止のためのゾーニングが完了していますが、受け入れ先の立場で考慮すると、より転院に様々な配慮を要します。患者様やご家族にとっては、時間を要することは苦痛でありますが、主治医はもちろん連携担当者ふくめ、多職種の職員で可能な限りの努力をして参ります。その他、3階、4階、5階、7階の病棟の患者様に特に変わりはありません。
そして本日は感染症指定医療機関より治癒され、新たに1名の患者様が当院に、元気に帰ってこられました。初期のクラスター20名中、6名の患者様と1名の職員が治癒されたことになります。13名の入院中の患者様に関しては、4名が軽症、6名が中等症(酸素が必要)、残念ながら1名の重症者がおられるとの報告を受けており、2名が明日、治癒の上、退院され当院に戻ってまいります。受け入れていただいている各感染症指定医療機関には大変なご負担をおかけしております。
また本日も2通の患者様家族からの励ましのお手紙が届きました。さらに医療法人田中会の田中素美先生が現場でがんばっている職員に対し、陣中見舞いに来ていただきました。毎日、継続した多くのご援助に職員一同、励まされ感謝致しております。
現在の第二段階の方針にのっとった感染拡大防止対策を継続することにより、必ず収束を迎えると信じております。そして徐々に外来の再開、新規入院患者様の受け入れを行う予定です。ただし当院における再度の集団感染の発生を防止しなければなりません。また一度、収束したとしても現場で働く職員は、発熱等の症状と向き合ったときに、新型コロナ感染に対する不安をぬぐい切れず、安心のために今回、自院で新型コロナウイルス感染の有無を即日確認できるよう、PCR検査と同等かそれ以上の精度で速度も速い、核酸増幅検査装置(LAMP法:Loop-mediated Isothermal Amplification:ループ介在等温増幅法)を発注し11月19日(木)導入予定です。引き続き感染拡大防止に職員一同、努めて参ります。
令和2年11月9日(月)午後6時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第二十二報)
令和2年11月8日(日)午後5時30分現在の報告を致します。
10月21日(水)の第1号陽性者発生より18日目を迎えました。クラスター対策とした最初の2週間での、初期の集団感染者の搬送を全員終了し、現在は治癒した患者様は帰院され、日常の精神科的療養に戻られています。
クラスター対策の次の段階における方針として、全患者242名、全職員205名 合計447名のPCR検査すべての陰性を確認したところで、初期の感染者集団が入院されていた6階病棟を集団隔離病棟として、一定期間(Day14まで)、職員も防護服着用にて対応しています。この第2段階の時期は、当該病棟において、明らかなコロナウイルス感染を疑う症状を有する者のみに3回目のPCR検査を施行し、感染の確認および、必要時に感染症指定医療機関への搬送を行います。これは5階の一部分の隔離区域でも同様の対応です。それ以外のスクリーニングで陰性を確認した3階、4階、7階病棟においては、37.5度以上の発熱、呼吸器症状(咳、痰、呼吸苦、特にSPO2の低下)、特異的な下痢等の、新型コロナウイルス感染症を疑う症状のある方に関しては保健所と相談の上、PCR検査を施行することとします。
本日は、6階集団隔離病棟の患者様1名に咽頭痛が認められましたが、今まで2回のPCR検査で陰性を認め、熱や呼吸器症状は認められず、本人も元気もあるため、PCR検査は行わず経過観察としました。また昨日、発熱のためにPCR検査を提出していた4階病棟患者様1名は本日、陰性の報告を受けました。加えて、本日午前中に7階の中心静脈栄養の患者様1名に発熱の症状を認め、呼吸器症状等ありませんでしたが慎重を期してPCR検査を施行し、午後5時20分に陰性の報告を受けました。それ以外の病棟の患者様、職員に特に変わりはありません。
10月21日(水)におけるクラスター発生時の患者様、職員(2名)計20名の陽性者に関しては、すでにこの20名中6名の患者様、職員が治癒し、感染症指定医療機関あるいは宿泊施設を退院・退所して本来の日常生活に戻っており、本日も元気に過ごされています。明日以降も、治癒し戻ってくる患者様がおられる予定ですので、順次、報告して参ります。
あらためて近日、県内でも同じ医療施設等での感染(PCR検査陽性)の増加がみられ、行政検査であるPCR検査の数が増えている中、また、休日にも関わらず夜間を通して当院の検査提出に対し、速やかな検査結果のご報告を頂いているおかげで、適切な収束に向けた対応が可能となっております。保健所をはじめ、熊本県の各関係機関に感謝申し上げます。
令和2年11月8日(日)午後6時20分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第二十一報)
令和2年11月7日(土)午後4時00分現在の報告を致します。
当院のクラスター発生より17日目を迎えます。現在、当病院内における感染者は0名です。濃厚接触者として集団隔離病棟で健康観察を継続中の患者様に発熱等の症状は認められません。また職員にも特に変わりはありません。
本日午前中に、4階病棟の患者様1名に発熱を認めました。呼吸器症状はなく、ほぼ月1回程度、発熱される方ですが、慎重を期すために保健所と相談の上、PCR検査を提出致しました。結果は明日、日曜日の午後に判明する予定です。またご本人には、結果が出るまで個室で過ごしていただいております。保健所や検査機関においては、土曜日や日曜日、夜間にも関わらず対応していただき、大変感謝致しております。また本日は患者様1名が予定通り、感染症指定医療機関より当院へ戻ってこられました。症状もなく元気にしておられます。
今日時点で、新型コロナウイルス累計感染者数20名のうち、6名が治癒(寛解)、14名が治療中です。少しずつではありますが、日常生活に復帰される方が増えてきております。今後も健康観察中の濃厚接触者の中からある程度感染者が出ることが予測されますが、早期介入と治療への導入を地道に行いながら、職員自身も体調に気を付け、確実な収束に向けて努力して参ります。
令和2年11月7日(土)午後5時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第二十報)
令和2年11月6日(金)午後4時00分現在の報告を致します。
当院のクラスター発生より16日目を迎えます。14日目までは、有症状のためPCR検査が必要な患者様やその結果、陽性を認め、感染症指定医療機関への搬送する患者様が毎日続いておりました。昨日と本日は、症状のある方や検査が必要な方は全くいらっしゃらず、11月7日(土)と9日(月)にそれぞれ1名ずつの患者様が感染症指定医療機関から退院され、当院へ帰ってこられます。全体の集計は下の表に示します。
地域の公立学校より第十八報の、最初の検査で職員の中で唯一PCR検査が陽性となった作業療法士の手記を、子どもたちの授業で使用したいとの申し出がありました。授業を通して子どもたちに役立てていただければと思います。
今回のクラスターを起こしてしまったことで、地域の方々に大きな不安やご心配をお掛けする中、地域の子どもたちに当院の職員が実際体験し、得たことを通して「大人たちがなぜ不安を感じているのか?」「何が起こっているのか」などを、教育の場で話し合っていただけることは、私たちにとっても嬉しいことです。
令和2年11月6日(金)午後4時30分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第十九報)
令和2年11月5日(木)午後4時00分現在の報告を致します。
今回の新型コロナウイルス院内集団感染が確認されて15日目になります。
昨日まで検査中であった2名の職員のPCR検査の陰性を確認し、これをもって全患者242名、全職員205名 合計447名のPCR検査をすべて終了しました。
本日までの評価として、対象者447名のうち累計として18名の患者様と2名の職員の計20名のPCR陽性者が確認されました。つまり現時点の評価として、今回の当院におけるクラスターは、全対象者447名中20名(4.4%)の集団感染を確認したことになります。
20名の陽性者については、患者様1名は当院にて継続治療し治癒、17名は感染症指定医療機関に転院、この17名のうち3名は治癒し、当院に再入院されております。職員については2名のうち1名は宿泊施設より退所し復職、もう1名は現在、感染症指定医療機関に入院中です。
本日時点で、当病院内における感染者は0名で、濃厚接触者として6階集団隔離病棟50名、5階の一部に設けた感染管理病床区域15名の計65名については、6階は11月3日(火)をDay0とし、5階については10月31日(土)をDay0として、Day14までの期間、健康観察を継続していきます。当該病棟の感染者が0名になった後、感染対策のためのゾーニングが確保された日をDay0と定義します。よって今後も新規陽性者の発生が予測される6階病棟においては、患者様が確認された時点で再びDay0に再設定されます。
本日は15日目にして初めて新しい有症状者は認めず、PCR検査提出もありませんでした。第1号発生から感染拡大防止対策、感染者の早期発見、早期介入、ゾーニング等が確立され、職員も業務として対応法を習得し、ようやく3合目の手前くらいに感じます。ただし、今後の天候はまったくわかりません。一日一歩でも確実に登ろうと思っています。
毎日届けられる、同じ医療福祉に携わる方や教育機関ほか、多方面の方々からのこころ温まる励ましに感謝いたします。
令和2年11月5日(木)午後5時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第十八報)
令和2年11月4日(水)午後5時00分現在の報告を致します。
10月21日(水)から始まった当院の新型コロナウイルス感染症のクラスターは、14日目を迎え、濃厚接触者を含めた6階集団隔離病棟においては、当初PCR検査陰性者の中にも症状は軽度でありますが、再度の検査で陽性者が増えてくる時期で、本日も2名の患者様の陽性が確認されました。1名に関しては血液検査上も炎症所見は認めず、発熱もありませんでしたが、阿蘇圏域外の感染症指定医療機関に本日転院になっています。もう1名は中等症で、明日、阿蘇圏域外の感染症指定医療機関に転院予定が確定しています。
第十三報で説明させていただいたように、PCR検査は例えば、①1個のウイルスが体のどこかに存在していれば陽性に出ます。※注 ②ウイルスが100個以上になると、何の症状もありませんが、人から人への感染の可能性が出てきます。③ただ発熱や下痢等の症状が出るには、1000個以上のウイルスがいないと症状は出ません。④また1個のウイルスの一部が残っていた状態でもPCR検査は陽性に出ることもわかってきました。つまりPCR検査陽性と言ってもウイルスの量はピンからキリまであり、①④の場合は人には感染しません。大切なのは②と③の方で、②については一定期間の隔離と健康観察、③については、なるべく早く感染症指定医療機関で医療を受けていただくことです。
報道等による毎日の感染者数の累計の発表は、①②③④をすべて含んでおり、第一波の頃と異なり、ウイルスの特性と対処法がずいぶん分かってきた今、皆さんに知らせるべき大切な数字は、累積感染者数(イコールPCR検査陽性者数)ではなく、②③の数とその対応です。それから次に開示する情報として重要なことは、⑤;②と③がその後どうなったかです。特に治癒(寛解)して日常に復帰した人数はクラスター収束の大切な指標の一つです。本日までに患者様18名、職員2名、および職員家族1名の合計21名の陽性者が出ています。その中で⑤にあたる人数は、患者様3名と、職員1名は感染症から治って日常に戻っておられます。つまり現在の実際の院内関連感染者数は、累計感染者数20名から感染症から治った4名を差し引いた16名になります。また、11月5日(木)と7日(土)に1名ずつ計2名の患者様が感染症指定医療機関より、当院に戻ってこられることが本日決まりました。これらの数字について今回は表を作りましたので、毎回の報告で提示いたします。全対象者スクリーニングも終えたこれからの時期は、③の患者様の発生は一時的に増加する時期だと予測しております。速やかな搬送を含めた介入を厚労省の対策地域支援班、熊本県調整本部、阿蘇保健所、阿蘇市、感染症指定医療機関の協力を得て継続し、③が増えても⑤を増やし、最終的にある程度の長期の期間を覚悟して、継続対応して参ります。
※注:ここでいう1個、100個等は、実際のウイルスの数ではなく例えです。実際は大きな数字(log10コピー数/mlという単位)ですが、新型コロナウイルスに関しては正確な数は分かっていません。
なお前回報告いたしました昨日の職員家族の1名の陽性は、病院内以外の地域での感染拡大につながる可能性を有し、地域の方々に不安を与える重要な問題です。今回は本人に明らかな症状もなく、PCRは陽性ですが前述の①か②の状態で、昨日のうちに感染症指定医療機関に入院しております。これにより地域の感染の拡大の可能性は限りなく低くなったのではないかと考えております。
毎日、陽性者は発生している段階で、今後も長期戦が予想されますが、一例一例確実に対応して、収束に向けて職員一同取り組んで参ります。
令和2年11月4日(水)午後6時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
【復帰した作業療法士の報告】
PCR検査を受け保健所から電話があり陽性である報告を受けました。正直な感想としては「なんで自分が」、「自分から感染してしまっていたらどうしよう」と不安に駆られました。
その後、職員の中で自分だけが陽性である事を知り、感染源が自分ではないかという不安がより一層強くなりました。翌日、感染症指定医療機関に入院となりました。(熊本県の場合は、無症状でもいったん指定医療機関に入院したうえで、宿泊施設に送られます)。病院のHPで感染経路が自分ではない事を知り多少不安が軽減しました。又、院長先生から電話を頂き「自分を責めなくていい」「困ったことがあればいつでも連絡ください」というような言葉を頂き非常に安心できました。
翌日、民間救急車にて市内のホテルに移動し療養となりました。ホテルでの療養生活は朝と夕方に体温とSpO2の測定を行い電話にて看護師からの体調の確認がありました。部屋から出ることは基本的にできず、決まったやるべきことは食事と体調の確認のみでした。 余暇時間が多く「何もすることがない」という状況は、何のやりがいを感じることもなく苦痛でした。病院の長期入院患者様は余暇時間が多く、普段自分が行っている作業療法の提供はやりがいのある活動により生き生きとした生活を送る一助にもなっていることを実感しました。
時間が経つことで、陽性になった患者様の状態は大丈夫なのか、職員の方々は感染リスクのある状況で働いていて自分よりも大変だ、というように自分以外のことが少しずつ考えられるようになりました。
療養中は「復帰した後周囲の人からどんな風に思われるだろう」という不安は常にありました。ですが、親や職場の先輩方から連絡を頂きとても励みになりました。対人交流が制限される中で誰かと連絡を取ることで非常に安心感を得る事が出来ました。
現在は職場復帰しており元気に働くことができています。今回の療養生活を通して自分に関わって下さった皆様に感謝申し上げます。
新型コロナウィルス陽性者確認について(第十七報)
令和2年11月3日(火)午後4時50分現在の報告を致します。
令和2年10月21日(水)阿蘇やまなみ病院におけるクラスター(新型コロナウイルス院内集団感染)の発生に伴い、それまでの限定した一病棟での集団隔離による対応から、10月30日(金)隔離病棟以外の陽性患者様1名の発生により、同日から対応策の検討を改めて行うため、病院のすべての入院患者様233名、全職員204名(10月30日時点ですでに陽性が判明し、入院された患者様、施設入所の職員を除く)に対し、スクリーニング検査(新型コロナウイルス感染が懸念されるある集団すべてを対象に、症状がない人も含め、同じ条件で検査を行い、現状の感染の状態を調べる)を行って参りました。本日までに、このスクリーニング検査対象の233名の患者様すべて、未検査2名および結果待ちの6名の職員を除く職員198名すべてについて全員の陰性を確認しました。
つまり令和2年11月3日(火)時点で院内に入院患者様、職員を含め、陽性患者は存在しません。ただし6階の集団隔離病棟においては、濃厚接触者52名について一度は陰性を確認しておりますが、陽性となる患者様が複数存在すると考えております。陽性患者様においては、軽微な症状でも指定医療機関に転院をしていただき、早期の治療を行って参ります。また今後、スクリーニング検査で全病棟での陰性がわかっておりますが、新たな症状発生者に関しては、患者様・職員を問わず必要時にPCR検査を施行して参ります。
報道等において「病院クラスター、本日、感染者19名に増加」等、記されておりますが、この感染者数は最初の発生からの累計(最初の1名から順次、足し算していったものの合計)であり、前述した6階集団隔離病棟においては今後も数字としては増えていくものと思われます。
実際、本日6階隔離病棟の職員1名(昨日報告)の妻の陽性が確認され、クラスターとしては1名加えられ、19名となりました。現在、当院内で一番、自己犠牲を払い、濃厚接触者の患者様に直接接している職員の家族に感染が拡大することは、できることなら完全に避けるべきことであります。また病院外で感染拡大の可能性が出たことを、もう一つの重大な問題として強く認識しなければなりません。保健所等とこれまで以上の協力の上、さらなる感染拡大を防止することに最大限の努力をしていきます。院内の患者様に関しては十分な検査・治療体制が準備され、重症化を防ぎ、早期の治癒後、再度の受け入れ、原疾患の治療の継続へつないでおります。院内の職員全員に関しては、家族内感染を2度と起こさないように、退社時、帰宅時の感染防止対策を再度、強化するよう徹底して参ります。
スクリーニングやこれまでの検査で現在、当院においては総数447名の患者様および職員において、15名の陽性者が治療中あるいは経過観察中で、うち1名は11月5日(木)に退院され当院に戻ってくる予定です。つまり本日時点で実際の感染者数は18名ではなく15名です。18名のうち3名はすでに治癒し、そのうち職員1名は職場復帰、患者様2名は当院において原疾患の継続治療中です。
今回の当院における院内集団感染者数は447名中18名(4.0%)で始まり、13日目の本日、447名中15名(3.3%)です。収束の目標はもちろん0名(0.0%)ですが、今後も一定の期間、特に6階集団隔離病棟においては感染者の増加が予測でき、この割合(%)は上昇すると考えます。しかし同時に感染症から治癒(この場合の正確な用語は「寛解」ですが)する患者様も増加して参ります。
地域の皆様におかれましては、引き続きご心配をおかけします。累計の数字の上昇だけを見て不安を抱かれることのないように、当院としては新しい情報を毎日報告するとともに、慎重かつ正確に数字の内容と意味について説明し、それに基づく対応や方針を報告して参ります。必要以上にご心配され、仕事や生活において活動の制限をされることのないよう、当院も真摯に情報提供に努めて参ります。
令和2年11月3日(火)午後7時50分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第十六報)
令和2年11月2日(月)午後5時00分現在の報告を致します。
まず10月30日に5階病棟に陽性患者様1名が出た時点から、方針を大きく変更し、10月31日より全患者様(すでに転院した患者様を除く)233名、全職員(1名の宿泊施設滞在を除く)207名、計440名に対しスクリーニング検査を実施しております。今日現在で患者様233名および職員196名の計429名の検査を完了し、昨日分までのスクリーニング対象者に関してはすべて陰性の報告を受けております。なお本日施行した83名(患者様46名、職員37名)の検査結果については明日、報告を受ける予定です。
現在、病棟全体をレッドゾーン(感染危険区域)としている、第1号の陽性患者様が発生した6階病棟は、濃厚接触者含め、患者様は1回目の検査で陰性を認めても、常に陽性になる可能性がある時期のため、軽度の症状であっても繰り返しPCR検査を行っております。その中で本日、1名の6階患者様に陽性が確認されました。この方に関しては感染症指定医療機関の主治医と当院の主治医同士の直接的な電話連絡により、県の調整本部の同意を得て、本日午後1時に速やかに阿蘇圏域外へ転院となりました。その他に軽度の症状がある4名の6階の患者様に関しては陰性の結果を得ています。しかし6階の患者様の直接看護を担当している職員1名に、昨日より軽度の症状を認め、再度のPCR検査を受けたところ陽性が確認され、本日速やかに感染症指定医療機関へ入院となりました。このことは感染の可能性が非常に高いにも関わらず、これまで職員にまったく陽性者が出ていなかった、6階集団隔離病棟の職員および家族にとって、大きな不安を与えると考えられます。このため当院に常駐していただいている厚生労働省新型コロナ対策地方支援班の医師に、本日再度、感染防止のための対策の確認と心理的ケアのお話をしていただきました。病院としては、特に当該職員に対し、いつでも不安や業務の継続について相談できる体制を強化していきたいと思います。
6階以外の病棟においては、前述のように5階病棟より1名の陽性患者様の確認を受け、陽性患者様は6階へ転棟されましたが、接触の可能性のある患者様については5階病棟内に隔離病床を設け、健康観察を継続しております。その他の3階、4階、5階(接触者観察病床以外の病床の患者様)、7階病棟に関しましては、順次行っているスクリーニング検査とは別に、軽微であっても症状のある方に関しては、早めのPCR検査を施行しており、これに関しては本日、7階1名の検査を提出しており、明日、検査結果の報告を受ける予定となっています。
新型コロナウイルス感染者発生日から本日(12日目)までの陽性者の累計をまとめます。対象者総数454名(全入院患者様246名、全職員208名)のうち、6階患者様15名、5階患者様1名、作業療法士1名、6階職員1名の計18名です。現在、陽性者の全員が厚生労働省新型コロナ対策地方支援班、熊本県調整本部、阿蘇保健所、各指定医療機関等の協力を得て速やかに入院となり、当院においての陽性者数は本日時点においても0名となっております。なお、うち2名の陽性者については治療を完了し、元気に戻ってきておられます。また最初の1名の職員の陽性者は昨日、宿泊施設を退所し、明後日より復職予定です。これら3名は、繰り返しになりますが、他者に感染させることもなければ、感染を受けることもない、感染症の観点から、病院内で一番安全な人たちです。このことは長期的かつ繰り返されるPCR検査、また現場職員の、不安を持ちながらも職業的責任と地域社会貢献、および患者様のための日常の多忙な業務に加えて、今回の院内集団感染の対応という大変厳しい状況の中、とてもうれしい知らせでした。
精神疾患を持つ方の特徴として、どうしても指示が通らないことが多く、高齢化も顕著で、一般の方よりも感染された場合、重篤な状況になりやすい中で、治療が終了し元気に戻ってこられる患者様や職員の笑顔を見ると、長い出口のないトンネルの先に、かすかではありますが確実な小さな光を見るようです。そして真っ暗なトンネルの中でも、私たちは一人きりではなく、顔は見えないが一緒に隣を歩いている仲間がいることを実感しています。
精神疾患のある患者様の速やかな受入れのうえ、高度な治療を施していただいている感染症指定医療機関には重ね重ね感謝申し上げます。長いトンネルと自覚しておりますが、これからも連携を強化し、院内集団感染ひいては世界的大流行の収束に向けて職員一同、努力してまいります。
令和2年11月2日(月)午後6時10分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第十五報)
令和2年11月1日(日)午後5時00分現在の報告を致します。昨日、第十四報でお伝えしたように現在、全患者様、全職員のスクリーニングを順次実行しております。昨日、7階病棟全患者様36名、職員45名(7階職員22名のほかに、昨日出勤していて検体採取が可能であった3階職員8名、4階職員10名、その他職員5名)のPCR検査を行いましたが、本日、全員陰性の報告を受けております。つまり現在7階に入院している患者様は全員陰性が確認されたことになります。
また本日、スクリーニングとして3階病棟の患者様49名と職員17名、そのほか4階職員7名、その他職員7名、計80名のスクリーニング検査を行いました。加えて6階集団隔離病棟で症状のある患者様4名、職員1名、計5名のPCR検査を新たに提出いたしました。これらの結果は11月2日(月)夕方までには判明する予定です。今後も優先順位に従って、全ての入院患者様および職員に対しPCR検査を行い、結果をご報告していきます。
今回の感染拡大で地域の方々にも大変なご迷惑をおかけしておりますが、そのような中、一の宮整形外科の古閑今朝輝先生、阿蘇きずな歯科医院の我那覇生純先生とスタッフの方が当院に陣中見舞いにお越し下さいました。改めて感謝申し上げるとともに、感染の収束に向けて職員一同、尽力して参ります。
令和2年11月1日(日)午後5時30分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第十四報)
令和2年10月31日(土)午後5時00分現在の報告を致します。
第十三報後、10月30日(金)午後5時20分、同日に軽度の熱や呼吸器症状のあった3階2名、5階1名のPCR検査を提出しており、5階1名の陽性が確認されました。このことは大変重大な出来事で、昨日まで陽性者の発生は6階病棟に限られており、他のすべての病棟には陽性者の発生はないことを前提にレッドゾーン(感染危険区域)、グリーンゾーン(感染に関しては安全な区域)に分け、病院機能を維持しながら院内集団感染の収束に向けた業務を行っておりました。このため今後の方針の大きな変更を余儀なくされ、これを受けて会議終了直後に対策会議を再開いたしました。この結果、同日午後6時半までに5階病棟のすべての患者様、職員(勤務でない者も呼び出し)、および感染経路が不明瞭であるため医師全員・作業療法士(10月22日陰性に続き2回目)のPCR検査を行いました。
このような場合、感染拡大防止のためには急を要し、しかも接触可能性を考えると93名分の限られた短い時間での〆切のある検査であり、今回の事例では5階病棟の50名の患者様のご家族に5名のケースワーカーで電話で検査をすることを説明しなければならず、ご家族にとって行政検査の意味等ふくめ、結果的に満足できる説明にならない場合もあると考えられますが、連日、休日も返上して職員は働いております。感染拡大のためご理解を頂きたいと思います。ご要望やご質問等ある場合は、私、理事長が直接対応いたしますので病院へご連絡ください。なお5階で発生した1名の陽性患者様は、6階集団隔離病棟へ移動しました。
本日、午前8時30分、昨日の93名分の検査結果の報告があり、5階患者様50名、医師9名(PCR検査2回目)、5階職員ほか職員34名、全員の陰性が確認されました。また昨日、どうしても検査ができなかった医師2名、職員3名は早朝より追加検査を行い、午後に5名全員陰性の報告を受けました。
10月21日(水)~10月30日(金)現在までの検査件数(医師等、重複あるため、のべ数)は、患者様169件、職員106件の合計275件、うち陽性者は患者様15名、職員1名です。陽性であった職員は明日、宿泊施設を退所し自宅に戻ります。患者様に関しては12名が現在、感染症指定医療機関で入院治療を受け11月2日(月)2名が治癒の上、当院に戻ってまいります。残りの入院中の10名に関しても、8割は60代後半から80代と高齢者でリスクが非常に高い患者様です。しかし現在までのところ重症者はいないとの報告を受けております。感染症指定医療機関におかれましては昼夜を問わず、手厚い治療をしていただき感謝致しております。
本日、令和2年10月31日(土)は、2回の阿蘇やまなみ病院新型コロナウイルス感染対策会議を開催し、5階病棟より1名の陽性患者様の確認、およびこれに関する新たな5階病棟全員の患者様と、接触のある職員全員のPCR検査の結果、すべて陰性を受け、今後の方針を話し合いました。その結果、1名の陽性のみのため、陽性者の通常の隔離と濃厚接触者の健康観察だけの方針は取らずに、感染経路の可能性として病棟間(グリーンゾーン)を移動する職員(医師や作業療法士、精神保健福祉士、施設整備課職員等)の存在を考慮し、5階病棟のみに限らず、現況の病院全体の再度の正確な把握と、対策の確実な見直しとして、全患者様、全職員のスクリーニングを順次、実行することと致しました。まず、スクリーニングの集計に使用できる結果としての検査が、昨日と本日で終わっている6階病棟、5階病棟、医師や作業療法士等の職員を除く新対象者340名(職員208名、患者様132名)の検査を本日より随時、行っていくこととしました。本日分は7階病棟から始め、患者様36名、職員45名のPCR検査を提出致しました。
5階病棟に陽性患者様が1名発生し、それに関わる93名が全員陰性ではありましたが、小さい範囲の対策ではなく費用や負担はかかりますが、感染拡大の確実な防止策としては一段階上位の対応をすることが患者様、ご家族、地域や職員とその家族に対する安心につながると信じ、実行致します。その入り口としての全患者様、全職員のスクリーニング検査の実施は必須で、阿蘇保健所のご理解とご協力のもと本日より開始し、来週中には集計・評価を行い、継続して感染拡大防止及び集団感染の収束に向けて努力してまいります。
令和2年10月31日(土)午後5時30分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第十三報)
新型コロナ新規感染者が新たに〇名で、クラスター〇名になりました(当局の指導により、今の時間、数字は〇にします)。私たちは報道による感染者の数字をこの9カ月の間、毎日のようにテレビや新聞、ネットを通して知らされ、不安を感じながら暮らしてきました。不安はストレスとなり、免疫力を低下させる一番の原因です。また、原因のわからない不安は恐怖であり、原因がわからなくても正確な情報とその数字への正しい理解が、少しでも不安を和らげ、気をつけることと気にしなくていいことを知り、嵐の最中でも「こころ」はおだやかに過ごせるようにしたいと思います。
現在当院における新型コロナウイルス集団感染の状況を「感染者数」の観点だけではなく、その意味と現在行っている対策について説明するために、お話を作ってみました。
むかしむかし、山の中にやまなみ村というところがありました。大きな大きな地震でふさがれた道をお殿さまが直してくれて、やっと通れるようになりました。たくさんの人が村に来てくれるようになり村人は、みんなよろこんで、昔のにぎわいを取りもどそうとがんばっていました。
ところが冬が近づいてきたある日、こっそりどろぼうたちが村にやってきました。どろぼうはこの村の3丁目から7丁目までの中から、6丁目で物色をはじめました。塀を乗りこえ、庭に隠れ、家の中に入り、金庫の中のお金をまんまと盗みだし、唐草模様のふろしきを庭に落として、また塀を飛び越していきました。
実は毎日のように報道で示されている新規感染者数は、PCR検査の陽性者数です。このPCR検査の意味を、やまなみ村のお話で例えると、どろぼうが新型コロナウイルスで、家が人間だとします。ここで言う「家」は、庭と建物も含みます。ウイルスは、主に鼻や口から入ると、上咽頭につき増殖し、血液を介して全身にちらばり、ある程度の量になると熱や呼吸器症状、消化器症状を呈します。どろぼうをウイルスだとすると、家の中に入るとどろぼうは仲間を増やし、金庫を探し始めます。今、やまなみ村では4丁目でも3丁目でもなく、6丁目の路地をどろぼうは、どの家がいいか物色しています。それから塀を乗り越えて庭に隠れ、鍵を壊して家の中に入り、金庫を見つけてそれを開け、お金を手にします。お金を手にしたところが、発熱や咳、あるいは肺炎の症状が出た状態です。どろぼうが庭に隠れている時や、家に入ってすぐは症状はありません。PCR検査はどろぼうが路地にいるときは陰性ですが、庭と家の中、金庫を開けたときにいずれも陽性です。加えて最近分かったことですが、どろぼうが去った後も、庭に落ちている唐草模様のふろしきがあればひと月後でも、PCR検査は陽性です。(流行当初、退院の条件は2回のPCR検査で陰性が確認されることでしたが、死んだウイルス―唐草模様のふろしき―が残っていても陽性に出るため、現在はPCR検査をせずに症状の消退と期間で、退院となっています)。またどろぼうは塀を越えず、路地にいるだけなら2~3日で去っていきます。建物の中に入った場合は、金庫を見つけられないと14日間で退散します。時には家の人(疫から免れる自分の力:免疫)につかまってしまうこともあります。
もう一つ大事なことは、はじめにどろぼうに入られた家が悪いわけではないのと同様、最初の感染者が悪いわけではありません。悪いのは、そこに家があることではなくどろぼうです。
やっかいなことは、このどろぼうたちは透明人間であることと、お年寄りや弱っている人相手には、こそ泥でなく強盗になってしまうことです。
やまなみ村6丁目は77軒の家(患者様53名、職員24名)があります。10月21日、ある1軒の家にどろぼうが入って、金庫からお金を盗みました。実はこの時、ほかに7軒の家にどろぼうたちがいることがわかりました。しかしその他の家の庭に何人隠れているかは、その時点では誰にもわかりませんでした。10月21日からのこの2週間の時期は、どろぼうは目を盗んで、庭から家に入ってきます。これが現在の阿蘇やまなみ病院の6階集団隔離病棟で、PCR陽性者の増加が確認されている状態です。やまなみ村の3丁目、4丁目、5丁目、7丁目にはどろぼうは今まで見つかっておらず、少なくとも10月21日より6丁目につながる路地はすべて厳重な関所があり、ねこ一匹、6丁目に入ることも出ることもできません。6丁目以外の村の家々を調べてみましたが、今のところどろぼうは全く見つかっていません。10月21日から29日までの間、3階、4階、5階、7階の発熱等の症状のある患者様55名にPCR検査行い、これまでに全員の陰性が確認されています。
阿蘇やまなみ病院にとって、この時期の6階集団隔離病棟における陽性者の数そのもの増加は、発症からの時期として、これまでに報告内にも記してきたように予測できていたことであり、1回目のPCR検査で陰性(6階病棟入院全患者)だった患者様も一緒に集団隔離措置を取ってきています。幸いにも現在まで6階の職員の陽性は確認できていませんが、これ以降も患者様、および職員の陽性者は出てきてもおかしくありません。その可能性を重々意識し、感染拡大防止を徹底し、6階の患者様、そして病院で働くすべての職員のために6階専従の医療従事者は自分を犠牲にして、一生懸命看護しております。改めて今、重要視していることは6階隔離病棟内の患者様が陽性に変わられても、早期の専門機関への転院を含め適切な治療、看護にてこのクラスターの時期を収束させることです。ただ、陽性が確認されるたびに健康確認期間(Day0~Day14)は再設定され収束時期が延び、長期戦になりますが、全職員、自己の心身の健康を維持しながら、収束という目標に向かって取り組んでまいります。
交通事故0を達成するならば、国民全員が車に乗らなければ0になるのと同様、やまなみ村の家が取り壊されて空き地になればどろぼうはいなくなります。しかし、大切な大切なマイホームを取り壊さずに、家族みんなで仲良くいつものように家に住んで車に乗りながらおだやかに過ごす方を選びたいと思います。
最後に熊本県で初めてクラスターを発生させてしまった医療機関、特に精神科病院として現在経験しながら分かったことがあります。精神障害のある新型コロナ感染患者様を専門医療機関に転院していただく際、熊本県の現状のシステムでは中等症(呼吸器症状により酸素投与が必要になっている状態)の患者様の受け入れ先が精神病床を持っている病院には存在せず、一般病床の感染症指定医療機関しかありません。その際、転院や転院先を決めるのは当院や相手先の病院ではなく県の調整本部という行政措置ではありますが、重要なことは、①直接治療にあたる主治医同士が、前もって十分な情報の共有をすること ②一般病床における治療継続が困難になる精神症状が出現した際、いつでも送り元の精神科医が当該病院を訪問し、精神科的治療介入をできることを前もって担保することだと思います。
やまなみ村の村人みんなの家の1軒たりとも、金庫からお金を盗まれず、すべてのどろぼうが改心してまじめに働くまで、地道にがんばります。
令和2年10月30日 午前11時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第十二報)
令和2年10月29日午後4時30分現在の報告を致します。昨日報告した、6階集団隔離病棟の1名(10月22日PCR検査陰性)の2回目のPCR検査結果は、陽性の報告を受けました。また本日、6階病棟5名、3階病棟1名、7階病棟1名に発熱や喀痰などの症状を認め、計7名のPCR検査を提出した結果、本日午後3時45分に6階病棟の患者様2名(10月22日PCR検査陰性)の陽性の報告を受けました。10月21日に最初の抗原検査陽性患者様を確認以降、当院のPCR検査陽性者は現在までに6階病棟の患者様11名、職員1名の計12名となります。陽性者数は検査数の増加とともに増えますが、今回も3階と7階病棟の患者様は陰性で、陽性は6階集団隔離病棟に限定しております。6階病棟では最初の感染者が確認された10月22日時点、陰性だった患者様のその後の陽性が確認できる時期であり、無症状の患者様の中にも陽性患者が含まれると考えられます。よって軽度の症状であっても積極的にPCR検査を継続していきます。
本院では認知症や慢性期統合失調症の患者様に対し、十分な理解を得ることができない状態での拘束をせず自由にしていただくことに重きを置くために、車いすのベルト等を含め一切の身体的拘束を行っておらず、患者様が転倒し骨折されることを残念ながら防げない時があります。そのような場合、ご家族と相談のうえ迅速に整形外科等の病院への転院治療を行っております。昨日、集団隔離病棟以外の1名の患者様が骨折をされました。普段であればご家族と相談のうえ、スムーズに転院し治療することができますが、今回は新型コロナウイルス感染の可能性がない病棟の患者様でも、最低限PCR検査の陰性を確認できるまでは転院先の病院の受入れは困難な状況です。
昨日までで6階の集団隔離病棟の感染拡大防止に関する環境の整備が完全に整った段階ですが、これから発熱等の症状を有する患者様が増え、PCR検査の数も増加する時期に入ります。同時に骨折等の身体疾患の患者様を専門病院に受け入れていただくため、行政検査(保健所指示による公費の検査)ではない即時の自院でのPCR検査の必要性を強く認識致しました。当院においては本年7月に迅速キットによる抗原定性検査は導入しておりますが、骨折など新型コロナ感染を疑う症状とは異なる患者様に対し、新型コロナ感染を否定するために使用するには不適切な検査です。このため今回、PCR検査と同等の精度のLAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法を用いた遺伝子検査装置「栄研 リアルタイム濁度測定装置Loopamp EXIA M-L300」を発注致しました。これにより自院での即時の検査が可能で、また外部に依頼することによる連絡や検体の搬送等の職員の負担を軽減し、感染拡大防止と合併症治療のための専門医療機関搬送に大きく貢献すると思います。今後、6階集団隔離病棟の感染陽性確認が増えることにより、Day0はリセットされ、収束宣言までの期間が延長されることが予測されます。また収束宣言の後も発熱疾患等は時期的に多く、通常の感冒やインフルエンザと新型コロナウイルスの再燃の鑑別が継続必要になるため、経済的負担に関して今は考慮せず、必要なものを積極的に導入していきます。
PCR検査数の増加及び陽性確認の増加の期間に入り、順次の検査結果による方針の変更を効率的に検討するため、明日からは阿蘇やまなみ病院新型コロナ感染対策会議を午後3時より行って参ります。
このホームページは患者様やご家族、地域の皆様、その他関係機関の方々に、できる限りより具体的な情報を迅速に開示し、少しでも不必要な不安の軽減につながればと考えております。昨日は地域のご高齢の方より、ホームページの字が小さくて読みづらいとのご意見をいただき、十分ではありませんが大きくさせていただきました。何かご要望等ございましたら、いつでも当院あてにご連絡ください。
令和2年10月29日 午後5時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第十一報)
令和2年10月28日午後4時35分現在の報告を致します。当院において初めての新型コロナウイルス感染者が確認されて本日で7日目になります。通常外来の中止、および新規入院患者受入れ中止を継続している中、10月22日までに確認されたPCR陽性入院患者7名は、現在、感染症指定医療機関に継続入院中で重症化の患者様の報告は受けておりません。来週より条件を満たした方は順次帰ってこられる予定です。感染症指定医療機関、医療従事者の方々には当院の陽性患者様を感染のリスクがあるなか受け入れ、加療、看護していただき、本当に感謝しております。これらの機関を退院し、当院へ再入院する患者様方は、他の患者様に新たに感染をさせる恐れはありません。全員が発症から10日が経過しています。つまり他の人に感染させるだけのウイルス量を持っている人はいません。しかも一度陽性になった方は抗体を持っているため、街中で他人と同じ空間を過ごすよりも安全です。(第八報添付の資料「新型コロナウイルス感染症」に関してわかってきていること 参照)例えれば、当院に現在勤務する職員、入院患者様すべての人の中で、感染という観点では一番安全な人々です。
昨日、第十報で報告した6階集団隔離病棟の患者様のPCR検査の結果は、本日午前11時に陰性の報告を受けました。また医師の1名が本朝よりの微熱のため2回目のPCR検査を受けましたが、午後4時に陰性の報告を受けております。新たに本日、集団隔離病棟の入院患者様1名に呼吸器症状を認め、PCR検査を施行しております。結果は明日の午後3時以降に報告されます。当院職員で10月22日のPCR検査で陽性が出た1名は現在、宿泊施設滞在中で症状等はなく、元気に過ごしております。
今後も職員・患者様においては、症状(37.5度以上の発熱、呼吸器症状、下痢等)を十分観察し、必要時に随時PCR検査を行い、感染拡大防止に早期に介入を継続して参ります。
阿蘇やまなみ病院新型コロナ感染拡大防止対策会議は、午前10時と午後4時の2回開催されていますが、厚生労働省新型コロナ対策地方支援班、熊本県クラスター対策班、阿蘇保健所に加えて昨日より阿蘇市が参加されています。
本日、阿蘇市立一の宮中学校の2年生の生徒の皆様から、沢山の手作りの温かい応援のメッセージをいただきました。また共に阿蘇の地域医療を支える古閑医院の古閑宏先生からは職員へのお見舞い、医療法人医誠会 津野田尚子理事長、大塚直尚先生からは、家族を思い、家に帰らず病院に宿泊しながら集団隔離病棟に勤務する看護師さんたちに、陣中見舞いをいただきました。地震後4年ようやく交通が再開し、さあこれからという時期に、同じ地域にある病院で県内初のクラスターが発生したことは、地域の方々、特に観光業等への大きな打撃となり、本来なら苦言を頂いてもおかしくない状況にも関わらず、ホテルサンクラウン大阿蘇様からは当院へ支援物資を届けていただきました。また、あらためて多くの方々の温かい励ましに感謝致します。
令和2年10月28日 午後5時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第十報)
令和2年10月27日午後5時00分現在の報告を致します。第九報報告後の昨日夕方、午後5時30分、集団隔離病棟以外の病棟の患者様1名の発熱を認め、PCR検査を提出致しました。本日、陰性の結果が確認されました。現時点での当院の感染者は0名で、集団隔離病棟に入院中のPCR陰性かつ無症状の濃厚接触者を除いて、濃厚接触者は病院全体で0名です。その中で感染拡大防止に慎重を期すため、6階感染隔離病棟において、すでに抗原検査陰性、PCR検査陰性で経過を看ている患者様1名について軽度の症状の動揺があるため、2回目のPCR検査を本日実施致しました。結果については明日、午後3時以降に報告を受ける予定です。
10月23日に県より当院のクラスター発生が発表され、様々な形で報道されて以降、職員の家族は職場や学校、幼稚園や施設など日常生活の場面で、出勤や利用の停止・自粛の要請を受けております。中には同居でないにも関わらず、家族が出勤停止となったケースもあります。
職場や学校、施設の立場でのご心配やご不安は、とても理解できることであり、それぞれの事業所の安全管理に対する考え方に関して、当院として介入すべきではありません。当院職員の家族の職場や学校等から、職員のPCR検査の結果を聞かれることが多々ありますが、行政の指導下に置かれた現段階では、PCR検査は陽性者との接触(マスクなしで1m以内、15分以上)がある人で、行政が必要と認めた患者様、職員に対して行われております。このPCR検査の対象となっていないということは、感染の可能性がない(PCR陰性)ということです。つまり検査を受けていない職員の感染の可能性は、通常の生活をされている方々と何ら変わりはありません。三密やマスクなし、手指の汚染等ある状態では、全ての人が場所や時間に関わらず感染の可能性がありますが、今ではほとんどの医療施設の職員は院内でマスクを全員、常時着用しており、街なかを歩くより、病院内を歩く方が感染の機会は少ないと考えてよいと思います。
人の心は科学や理屈で説明されて知識としては理解しても、理由は特になく不安を感じるものです。科学的根拠はなくても、例えば希望する職員のPCR検査をすることで、本人や家族、職場を含めた周囲の人々のこころの安心を少しでも得ることができるのであれば、病院として最大限協力していくことは可能です。
今回、このような経験を通して感じているのは、地震やウイルスなどは雨が降ることと同じで、自然の営みのひとつであるということです。例えば雨に降られたときに、傘を持たない人が悪いということはありません。ましてや雨が降り始めたのは、あの人のせいだ、だからあの人が悪いという人はいません。濡れたら着替えればよいだけです。雨と戦う人は誰もいません。もちろん、その雨が豪雨になって、残念ながら大切な命を失う人もいます。同じように地震に勝つとか、ウイルスに負けるなとか、もし勝ち負け、戦うという言葉を使うなら、今回の相手は新型コロナウイルス(SARS‐CoV‐2)ではなく、人間の「こころ」の中にいるような気がします。最初にいろんな誹謗中傷を聞いたときに、いらだちと怒りの感情が沸き起こりました。これが勝ち負け、戦うという言葉と結びついているような気がします。対象は決して新型コロナウイルスではなく、人間そのものです。
いま私たちにできることは、分からないことに対する不安に対して、一つひとつ正しい知識を積み重ねながら、感染拡大防止に努めることと再認識しています。そして今後も皆様のご不安にお応えできるよう努めて参ります。
当院における新型コロナ陽性確認以降、こころを痛める様々なことも起こっておりますが、そのようななか本日は、今年7月の豪雨で甚大な被害を受けられた人吉の吉田病院から、遠いところ沢山の支援物資を持ってお見舞いに来ていただきました。また熊本県精神科協会からも支援物資を持ってお越しいただきました。そして全く当院や地域と関係のない一人の方からの、温かいお言葉がつづられたお手紙が届きました。
今年初めの感染が拡大した当時よりも、確実に誹謗中傷等は減ってきていると感じます。多くの立場の方々からのご支援をいただき、職員一同、この皆さまの温かいお心遣いに励まされながら、必ず収束させます。
令和2年10月27日 午後5時50分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第九報)
令和2年10月26日午後4時30分現在の報告を致します。本日はPCR検査を要する患者様の発生はなく、また陽性患者搬送はすべて終了しました。すなわち当院では、集団隔離病棟以外の病院内全ての病棟には、濃厚接触者も0名の状況です。しかし今後も慎重な感染防止対策の継続のために、外来診療はDay14(本日をDay0として、入院患者様に新たな陽性者が出ない場合は11月9日)以降の再開を考えております。しかしながら状況によっては、予定より早期に再開できる可能性もございますので、その際には改めてご報告致します。それまで大変なご不便をおかけ致しますが、電話診療や送薬等、できる限りの対応を行って参りますので、いつでもお尋ねください。
また入院中の大切なご家族との面会を長期間制限している中で起こした院内感染であり、それにより患者様とご家族のかけがえのないひとときをさらに制限せざるを得なくなっております。とても大きな問題だと思います。個別に配慮して対応できる場合もございますので、ご相談ください。
なお、今後の当日分のPCR検査結果は、陽性の場合、行政による発表を優先し、当ホームページへの記載は午後3時以降となります。
令和2年10月26日 午後17時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第八報)
令和2年10月26日午前9時10分現在の報告を致します。昨日、集団隔離病棟である6階以外(通常対応の病棟:グリーンゾーン)における発熱を伴う患者様に、臨床的に可能性は非常に低くても、新型コロナウイルス感染の有無を明確にするためPCR検査を施行する方針にのっとって、PCR検査を行った4名の入院患者様に関しては、本朝、全員陰性の報告を受けました。加えて最後の陽性患者様は、本日午前中に阿蘇圏域外の感染症指定医療機関に転院となります。このため、当院内において、新型コロナ感染症陽性者は0名となり、本日をもってDay0とし、11月9日のDay14までの15日の期間、特に無症状濃厚接触者ならびに、全患者様、職員の健康観察を継続し、その都度必要に応じてPCR検査を含め、引き続き感染拡大防止に努めます。
新型コロナウイルス感染症に関しては、本年1月16日、わが国で初発例が確認されて以来、専門家でさえも正しい情報がなく、報道機関の情報が主に先行し、時には不安のみを増強させる状態が長期間続いてきました。未だに不明な点は多くありますが、当院では厚生労働省新型コロナ対策地方支援班の指導の下に、最新の知見を根拠に職員教育を行い、正しい知識を確認し、臨床の現場で実体験を日々繰り返すことにより、漠然とした不安ではなく、十分な知識に裏付けられた感染防御を実行し、患者様、同僚、家族、地域を守るため、自己の心身両面における健康管理を継続して参ります。職員教育に使用する「新型コロナウイルス感染症に関してわかってきていること」の最新資料を掲載致します。ご参考ください。
令和2年10月26日 午前9時30分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
「新型コロナウイルス感染症」に関してわかってきていること(PDF0.97MB)
新型コロナウィルス陽性者確認について(第七報)
令和2年10月25日15時現在の状況を報告します。当院においては毎年、寒暖の差が激しく季節の変わり目のこの時期に高齢の方で呼吸器感染症、尿路感染症で発熱する方が、250名前後の入院患者のうち数名必ずいらっしゃいますが、症状に合わせて保存的に治療しております。しかし現在、新型コロナ感染症の院内感染が発生しており、感染者集団隔離病棟(6階)以外の病棟の発熱者等も通常と異なり、積極的にPCR検査をしていきたいと思います。
本日、3階2名、4階1名の熱発者が発生しており、この3名においてPCR検査を施行致しました。また集団隔離病棟である6階で、先日のPCR検査では陰性で、発熱や呼吸器症状はありませんが、血中酸素飽和度の低下傾向を認める患者様1名に、積極的に2度目のPCR検査を行いました。これらの4名については明朝までに結果が報告されると思います。
本日も16時から、阿蘇やまなみ病院新型コロナ感染対策会議を行います。対策会議では今後予測される人的支援や職員のこころのケア、戻ってこられる患者様の部屋の調整、ゾーンニング等を後手に回らないように、日曜、祝日も収束に至るまで対策会議を継続し、考えうる各項目について対策、方針を決定していきます。皆様には長期にわたりご心配をかけしますが、情報は随時ご報告致します。
令和2年10月25日 午後3時30分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第六報)
令和2年10月24日午後3時00分の現状報告致します。当院の6階病棟を除く全病棟、および陽性が出た作業療法士1名を除く全職員に発熱や感染を疑う諸症状はこれまで認めず、6階病棟においては、26日(月)転院予定の1名の無症状陽性患者様以外の陰性患者様、および職員(全員陰性)に新たな感染を疑う諸症状はありません。6階病棟は陰性の患者様、職員も含め濃厚接触者とみなし、病棟全体をレッドゾーンとして、ゾーンニング終了後Day0とし、Day14までの15日間、全員(患者様、職員)の症状の有無を毎日観察します。
昨日より正式に院内に阿蘇やまなみ病院新型コロナ感染対策本部を設置し、病院長、副病院長、看護部長、事務長、医事課長、医師、連携担当室長等で構成し、これに熊本県クラスター対策班、阿蘇保健所職員に加え、東京よりお出でいただいた近藤久禎先生を班長とする厚生労働省新型コロナ対策地方支援班(災害医療支援チーム:DMAT)に毎日、院内に常駐していただき、ご指導、ご助言をいただくことになりました。
なお、昨日の第五報で報告した、26日転院予定のうち患者様1名は、本日午前中に阿蘇圏域外の感染症指定医療機関へ転院が終了致しました。
毎日数名の6階病棟の職員においては、今回のクラスターの収束に向けて、家族のために帰宅をせず、院内に宿泊しながら患者様のために一生懸命がんばっております。前述のごとく当該病棟の隔離は専門家の指導の下、適切に行われており、現時点での病院敷地内は感染に関しては安全が確保されております。
新型コロナ陽性確認以来、地域の皆様、あるいは当院職員のご家族、特に子どもさんが通われる学校や保育園、塾等において、当該子どもさんとの接触に対する不安の声が多く寄せられております。親御さんが心配に思われるのは当然のことです。そのうえで、当院の職員は医療従事者として、社会的責任を全うすべく日夜努力していることをご理解いただければ幸いです。なお、疑問や具体的なお問い合わせがございましたら、必要であれば管理者である理事長自身が直接電話でお伺いし、お答え致しますので、病院代表の電話番号にご連絡ください。
本日は16時より阿蘇やまなみ病院新型コロナ感染対策会議を行います。新しい情報があれば随時ご報告致します。
令和2年10月24日午後3時15分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第五報)
本日午後8時30分、検査結果を待っていた4名の陰性が報告されました。検査と陽性患者様の感染症指定医療機関への転院について、初動第一段階は10月26日転院予定の無症状の2名の陽性患者様を残し無事に終了致しました。
しかし今後もしばらくの期間、患者様、職員の症状を慎重に観察しながら必要に応じてPCR検査を行い、感染拡大防止に尽力致します。
熊本県を始め、患者様の受け入れをしていただいた感染症指定医療機関、その他、関係機関の皆様には心より感謝申し上げます。
また患者様、ご家族様、念願の道路が開通し、阿蘇地域復興のために盛り上げていこうとされていた観光業の方々をはじめとする地域の皆様には、大変なご迷惑とご心配をおかけ致しました。職員一同、収束に向けて努力して参ります。
令和2年10月23日 午後10時35分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第四報)
令和2年10月23日午後5時15分の時点で、第一陽性者が入院していた病棟でPCR検査で陽性が出た8例について、感染経路に集団作業療法が関与していると考えられたため、第三報で感染の可能性がある他病棟の集団作業療法に参加した患者様20名(内訳 4階1名、5階11名、7階8名)のPCR検査結果が全員陰性であることが確認されました。別に追加で検査した分として、放射線技師ほか接触の可能性がある職員計4名と、PCRでいったん陰性が確認されたが味覚障害を訴える看護職員1名、5階病棟の有熱患者様(作業療法で接触はない)1名の計6名については、職員2名の陰性が報告され、残りの4名については検査結果を待っている状態です。
総括すると、現時点で患者様101名、職員62名 計163名のPCR検査が終了しました。この検査数が感染可能性期間中の発症病棟と感染経路である作業療法室利用者のすべてであり、陽性患者は患者様8名、職員1名 計9名で発症4日目に必要検査の第一段階目を終了しました。
職員1名は無症状で感染症指定医療機関にすでに本日入院し、今後、宿泊施設利用の予定であります。患者様8名のうち第一陽性者は10月22日13時30分、阿蘇圏域外の感染症指定医療機関へ転院、10月23日15時45分、2名の無症状患者様と1名の有熱患者様が熊本市内の同一感染症指定医療機関へ転院、同日15時50分、呼吸器症状のある患者様1名が熊本市内の感染症指定医療機関へ転院。また10月26日に血中酸素飽和度の低下傾向のある患者様1名と、無症状の患者様1名、(計2名)が阿蘇圏域外の同一感染症指定医療機関に転院予定です。
なお、残りの1名の患者様はPCR検査陽性ではありましたが、症状が改善し10日以上経過しており、阿蘇保健所の行政判断にて行政検査である2回目のPCR検査は必要ではなく、感染症指定医療機関への転院の適応とならず、臨床診断で当院にて適切なゾーンニングにおいて経過をみることになりました。
阿蘇保健所の指導の下、熊本県内の多くの感染症指定医療機関の迅速な協力を得て、全陽性者は第一陽性者発生後5日目にして、転院を完了する予定です。
本日18時30分よりDMATの来院があり、今後のさらなる感染防止対策についてご指導いただく予定です。
令和2年10月23日 午後5時15分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
10月23日 午前11時45分の支援物資
熊本地震において甚大な被害を受けたにも関わらず、見事に復興再建を果たされた益城病院の犬飼邦明理事長、看護部長ほか幹部の職員の皆様で、こんなに早く6700点におよぶ支援物資を持参され、お見舞いに来ていただきました。最初の陽性患者様の確認以降、熊本県、阿蘇市、阿蘇保健所(病院内に常駐していただいています)をはじめ、熊本県精神科協会、阿蘇郡市医師会、感染症指定医療機関等、多くの皆様のご支援を受け、長期戦になるのは覚悟して、職員一同、確実に収束に向けて努力をして参ります。
①プラスチック手袋M 150枚×10箱
②プラスチック手袋S 150枚×10箱
③シューズカバー 1箱(100枚)
④シャワーキャップ 1箱(100枚)
⑤サージカルマスク 3000枚(1箱)
⑥N95マスク 100枚
⑦ゴーグル 7個×4pack(28個)
⑧ハクゾウすっきりタオル 100個
⑨ディスポガウン 240枚(1箱)
新型コロナウィルス陽性者確認について(第三報)
令和2年10月23日午前8時30分時点で、昨夜午後10時報告の検査結果を踏まえたこれまでの陽性者数/総検査数は、9名/137名。内訳は、入院患者様8/80名(内訳 3階0/1名:5階0/24名:6階8/53名:7階0/2名)、職員数1/57名となっており、患者様は最初の陽性者が入院されていた病棟に限られております。また、当該病棟の看護職員に関しては24名全員陰性、陽性職員1名は、作業療法室勤務の作業療法士でした。
これまでの検査結果および聞き取り調査より、今後の感染拡大防止をより強化するために、感染経路の考察および集団感染の現状の確認のための追加検査の優先順位について現時点の方針を記載します。
職員に関しては全員確実に令和2年2月22日より、マスク、アルコール消毒、次亜塩素酸ナトリウム液等による環境の消毒は徹底しておりましたが、精神疾患の特有性もあり、患者様の常時のマスク着用は不十分であったと考えます。また、精神疾患においては薬物療法のみではなく、生活療法としての作業療法は重要な治療法であり、多くの入院患者様が一同に作業療法室で作業療法士と一緒に時間、空間を共にします。病棟の職員はすべて陰性で、1名の作業療法士の陽性が確認されております。
当該病棟は精神科療養病棟で、第1号陽性者を含めた多くの患者様が長期入院している病棟ですが今回、10月7日に身体的無症状で通常のコロナ感染防止聴取等を経て新規入院された患者様が10月12日に発熱し、内服等で翌日には改善。その後、新規入院患者様と接触のあった第1号陽性患者様と、もう1名の患者様が発熱し、症状が遷延、軽度の肺炎像を認め、この2名について抗原検査を行いました。その結果、第1号陽性者の確認に至りました。その後の全棟検査で、新規入院患者様の陽性が確認され、経緯、感染拡大状況より新規入院患者様が感染源の可能性があると強く疑われました。
第1号陽性患者様を含めた複数の患者様が、前述の精神科作業療法に参加されており、同時に作業療法士1名の陽性が確認されたことから、今後、①有症状の陽性者については症状発症から2日遡った日から、②無症状の陽性者については検査日から2日遡った日から現在に至るまで、同一の作業療法に時間、空間を共有した他病棟の患者様に対しても、随時PCR検査を施行し、感染拡大の把握と早期介入に努める予定です。
検査数の増加とともに陽性者数は増加すると考えられますが、できる限り検査を拡大し、早期収束に向けて職員一同、自己の心身健康管理をしながら努めて参ります。
今回の体験を通して、残念ながら患者様の陽性者は出てしまいましたが、患者様の看護、介護を密に行った看護、介護スタッフには今のところ1名の陽性者も出ていないことから、①サージカルマスクであってもマスクの着用、手指消毒は非常に有効である ②感染が危惧される時期は積極的に作業療法室等での集団作業療法を避け、病棟単位での生活療法を考慮する。つまり結局はマスク、手洗い、密を避けるといった基本的な感染対策は重要であると再認致しました。
本日は熊本県よりのクラスター対策班、DMAT等の援助が予定されている報告を受けております。
熊本県、阿蘇保健所、熊本県精神科協会、阿蘇郡市医師会、感染症指定医療機関等の多くのご支援に感謝致しております。新しい情報に関しては順次、公開して参ります。
令和2年10月23日 午前9時00分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウィルス陽性者確認について(第二報)
令和2年10月22日午前8時より、昨日、陽性を認めた患者様が入院されていた病棟の他の患者様37名および当該病棟担当職員24名、医師・医局員15名、作業療法士他2名の合計78名のPCR検査を施行し、午後5時40分、患者様37名中5名のPCR陽性、残りの職員41名については全員陰性の報告を受けました。また、当該病棟入院患者様の未検査15名については本日午後、検体を提出し検査中です。
午後8時より、阿蘇保健所と当該病棟のゾーンニング、コホーティング、明日以降の陽性患者様の指定医療機関への転院等の調整会議を行います。
皆様方にはご心配、ご迷惑をお掛けしますが、何卒ご理解の程よろしくお願いいたします。新しい情報に関しては順次、公開して参ります。
令和2年10月22日 午後6時10分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生
新型コロナウイルス陽性者確認について(第一報)
昨日、令和2年10月21日、入院患者様1名の発熱を認め、新型コロナウイルス抗原検査陽性を確認し、阿蘇保健所に連絡しました。その後、PCR検査を施行し、陽性を確認しました。阿蘇保健所の指導のもと、本日の外来等の一時中止を行い、当該病棟入院患者様、および職員等、順次、指導にもとづき、本朝よりPCR検査を行ってまいります。
皆様方にはご心配、ご迷惑をお掛けしますが、何卒ご理解の程よろしくお願いいたします。新しい情報に関しては順次、公開して参ります。
令和2年10月22日 午前8時20分
医療法人高森会 阿蘇やまなみ病院
理事長 高森 薫生